埼玉りそな産業経済振興財団は22日までに県内企業の2025年度賃上げ状況の結果を発表した。県内に事業所を置く従業員10人以上の企業1010社を対象に4月にアンケート調査を実施。329社（32・6％）が回答した。

　賃上げを実施するとした企業は前年比0・5ポイント増の81・2％。賃上げ率は単純平均でプラス3・6％と12年度の調査開始以降最高水準となった。

　正社員に対する実施状況（内訳）では、「定昇、ベースアップともに実施」が48・3％、「定昇のみ」が28・3％、「ベースアップのみ」が4・6％だった。一方、「定昇、ベースアップとも実施しない」は3・3％、「現在未定」は12・5％となった。

　3・6％の賃上げ率は前年度と同水準。金額は単純計算で1万321円だった。

　パート・アルバイトなど正社員以外の実施状況（内訳）では、「定昇、ベースアップともに実施」が15・2％、「定昇のみ」は23・2％、「ベースアップのみ」が9・4％で、賃上げを実施する割合は47・8％と前年度より3・8ポイント増加した。一方、「定昇、ベースアップとも実施しない」は12・5％、「年俸制などの賃金制度のため一律の賃上げは行わない」は5・1％、「現在未定」は31・6％だった。

　財団は「業況の回復に加え、人手不足の状況下で労働力の確保・定着や物価高への対応のため、賃上げの動きが広まっている」と分析した。