埼玉新聞

 

窓アートで商店に活気を 埼玉・幸手 ヘアメークアーティストの秋葉さん クレヨンで四季表現

  • クレヨンを手に窓アートを描く秋葉明子さん=13日午後、幸手市東のミヤモリ電機

    クレヨンを手に窓アートを描く秋葉明子さん=13日午後、幸手市東のミヤモリ電機

  • クレヨンを手に窓アートを描く秋葉明子さん=13日午後、幸手市東のミヤモリ電機

 幸手市の商店街を活気づけようと、地元のヘアメークアーティスト秋葉明子さん(50)が、店舗の窓ガラスを彩る「窓アート」に取り組んでいる。クレヨンを使って、四季折々のイラストで鮮やかに装飾。店舗や利用客だけでなく、通行人にも好評で、秋葉さんは「窓アートを目当てに人が集まり、笑顔になってくれたら」と話している。

 13日、幸手市東の「ミヤモリ電機」に、新しい窓アートが描かれた。約4×3メートルの透明なキャンバスに浮かび上がったのは、虹の架かる海を泳ぐ大きなクジラ。朝から夕方までクレヨンを握り続けた秋葉さんは「今回は夏をイメージした。小学校が近くにあるので、登下校の子どもたちにも楽しんでもらいたい」と目を細める。

 秋葉さんは美容系の短大を卒業し、エステやネイル、ブライダル関係の仕事に従事していた。33歳の時、結婚と出産を機に幸手に移住。しばらく好きなアートの世界から離れていたが、生活にゆとりが生まれたため趣味として再開した。

 窓アートは2年前、行きつけの雑貨店から開店1周年記念の装飾を依頼されて始めた。その出来に感心した「ミヤモリ電機」から「うちの店にも描いてほしい」と頼まれ、年4回の売り出しの時期に合わせてイラストを更新。これまで、キリン、雪だるま、クラゲなどをモチーフにした作品を手がけてきた。

 同店の遠藤雅彦代表(48)は「ポスターを貼るよりも窓アートの方が目立つし、撮影された写真が拡散されて宣伝になる。かわいらしいイラストに親しみを感じてくれて、若いお客さんも来てくれるようになった」と効果を語る。

 市内の商店街では、店主の高齢化や後継者不足で閉店する店が後を絶たない。窓アートのほかにも店舗の看板をデザインするなど美容業界で培った技能を生かし、活性化に取り組む秋葉さんは「シャッター通りになってしまうのは寂しい。アートで人のつながりを生み出し、まちを盛り上げていきたい」と話した。

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