埼玉新聞

 

来春の新小学1年生に!ランドセル商戦がピーク 色やデザイン、機能が多様化…現物販売から予約販売へ、消費者の行動が変化 売り上げ全体の4割が高額商品 シンプルなデザインが人気集める

  • 新作のランドセルを紹介する子ども服担当の三浦ともみさん

    新作のランドセルを紹介する子ども服担当の三浦ともみさん=4月28日、越谷市のイオンスタイルレイクタウン

  • 新作のランドセルを紹介する子ども服担当の三浦ともみさん

 来春の新小学1年生向けランドセルの商戦がピークを迎えている。近年、色やデザイン、機能の多様化に伴い、従来の現物販売から予約販売へと消費者の購買行動が変化。5~6月にかけてランドセル市場全体の約3割が売れているという。総合スーパー「イオン」などを展開するイオンリテール(千葉市)は、全国約400店舗でランドセルの予約販売会を順次開催。店頭で大々的にキャンペーンを打ち出している。

 イオンは11日まで、さいたま市緑区のイオン浦和美園店やイオン羽生店など県内3店舗に特設コーナーを設けている。

 越谷市のイオンスタイルレイクタウンでは関東圏最大級の約300種類の商品を一同に展示。男児用は定番の黒や青、シルバー、女児用はラベンダーやミント、白が今年のトレンド色。6年間の使用を見据えてシンプルなデザインが人気を集めている。

 目玉商品はランドセル製造大手のセイバン(兵庫県たつの市)と共同開発した「かるすぽエール」。背中や肩との密着面積を増やし、肩ベルトの根元を立ち上げた立体構造で背負いやすさにこだわった。祖父母が孫に購入

 日本鞄協会ランドセル工業会(東京)によると、コロナ禍以降、祖父母が孫のプレゼント用にランドセルを購入するケースが増えており、6万5千円以上の高額商品が売り上げ全体の約4割を占める。

 ゴールデンウイークに愛知県から帰省中の40代男性は、自身の両親らと家族7人で来店。予算6万円程度を目安に「ステッチ(縫い目)部分に本人の希望色が入ったランドセルを探しにきた。丈夫で壊れないものを選びたい」と話し、早速予約を済ませていた。

 イオンスタイルレイクタウンの売り場にはランドセルを背負って記念撮影できるコーナーがあり、スマートフォンからその場で祖父母に孫の画像を送る家族連れの姿も見られた。パターン500万通り

 色や形などの組み合わせ次第でランドセルの種類は500万通り近くとなり、製造に約2カ月ほどかかるため、同店では早めの予約注文を推奨。子ども服担当の三浦ともみさんは「ランドセルは一生に一度の買い物。たくさんの商品がそろう絶好の機会なので、ぜひ家族で見に来てほしい」と呼びかけた。

 子どもの成長に応じてサイズや色の好みの変化も想定されるため、ランドセル業界ではサブスクリプション(月額制)サービスも登場。イオンでは購入後6年間の修理保証など手厚いサービスで顧客獲得を図る。

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