埼玉新聞

 

必要な決裁を経ずに市長印を押し、市有地を売却 経緯に質問が相次ぐ さいたま市の土地不正売却で第三者委が初会合 関与した元職員は昨年に懲戒免職、今年4月に在宅起訴

  • 市有地不正売却の事案概要が説明された第三者委員会の初会合=30日午後、さいたま市浦和区のときわ会館

    市有地不正売却の事案概要が説明された第三者委員会の初会合=30日午後、さいたま市浦和区のときわ会館

  • 市有地不正売却の事案概要が説明された第三者委員会の初会合=30日午後、さいたま市浦和区のときわ会館

 埼玉県さいたま市の元職員が市有地を不正に売却した問題で、市の設置した第三者委員会の初会合が30日、同市浦和区のときわ会館で開かれた。市側が不適正な事務処理の概要などを説明。委員からは元職員が随意契約で進めようとした理由など、売却までの経緯に関して質問が相次いだ。

 第三者委は大学教授2人、弁護士2人、公認会計士1人で構成。会長に選出された渡辺享子弁護士は会合後、次回以降に調査資料を見て関係者のやりとりや事業の在り方を検証するとした上で「追加の聞き取りや面談が必要か、検討していきたい」と語った。市が作成した再発防止策の有効性の検証が重要なテーマとなるが渡辺会長は「原因が何なのかが大事。背景を検証できれば結果的に再発防止につながり、市民の期待に応えることができる」と強調した。

 元職員は、JR与野駅西口土地区画整理事業で必要な決裁を経ずに市長印を押印し、市有地を売却した。昨年8月に懲戒免職処分を受け、今年4月には、有印公文書偽造・同行使罪でさいたま地検に在宅起訴された。

 第三者委は2週間に1回、開催する予定。市は8月をめどに報告書を作成し、市議会9月定例会に報告する意向を示している。

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