さいたまの中2女子、国連本部など訪問 作文コンテストで外務大臣賞、ニューヨーク視察研修に参加 将来の夢は外交官か国連職員…憧れの場所で決意新た「対話や交流を促す必要性感じた」
さいたま市立岸中学校2年の藤本絢銘さん(13)が「第64回国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト」で外務大臣賞を受賞した。3月下旬、特賞受賞者が参加できるニューヨーク視察研修で、国連本部などを訪問。「将来の夢は外交官か国連職員」と語る少女は、憧れの場所に行けた喜びを胸に「外国と交流する仕事に就きたいという思いがより強くなった」と決意を新たにする。
外務省と日本国際連合協会が主催する同コンテストは、国連についての作文を通して、国際理解や協力を考える機会を提供している。藤本さんは、さいたま市模擬国連大会への参加で考えたことをまとめ、外務大臣賞に選出された。3月24~27日にニューヨーク視察研修が実施され、国連本部やユニセフなどを訪問した。
国連本部で最も印象に残ったのは、職員から聞いた壁画の話。登庁時は戦争の壁画、退庁時は平和の壁画を目にするように設置されているという。「自分たちの手で戦争を平和に変えていくという思いが感じられる場所だった」。国連総会の会議場も見学し、「(場内に)人がいないにもかかわらず、入った瞬間から迫力があった」と振り返る。
ユニセフでは、学生が職員に「悔しかったこと」を質問した。「ユニセフが重要な課題だと思っても、その国の政府が重要でないと判断すると支援ができない。とても悔しかった」。その返答を聞いて「草の根レベル、民間人同士の対話や交流を促す必要性も感じた」という。
現地の学生との交流も楽しんだ。スタイブサント高校で、好きな漫画を紹介すると「あの漫画ね!」と分かってくれ、「共通の話題ができて、とてもうれしかった」と喜ぶ。「拙い英語ではあるが、相手に思いが伝わり、言語って素晴らしいんだなと思いました」
今回の視察を通して学んだのは、言葉にすることの大切さだ。出国前に訪れた外務省や、ニューヨークの複数機関で同様の話を耳にした。「言葉にすることで相手とコミュニケーションが取れ、情報をより正確に把握できる」と学び、今後の課題に伝える力を挙げる。
初めて訪問したニューヨークは、「白人や黒人、黄色人種が協調性をもって生きていると実感できる場所だった」。同時に「世界はつながっていて、どこにでも行けるんだな」と感じた。憧れの場所で、真剣な表情で取り組む職員を見て、夢への気持ちを再確認した藤本さん。「専門的な知識や総合的な知識を獲得し、あんなふうにかっこいい職員になりたい」と目を輝かせた。










