埼玉新聞

 

藤井聡太王将、公式戦初…ファンびっくりの2手目、解説棋士も驚き「二度見した」 深谷で将棋の王将戦、公民館では解説会 おやつ当てクイズで盛り上がりも 人気集めた「勝負おやつ」は

  • 大盤解説会で解説を行う解説棋士の金井恒太六段(右)と女流棋士の香川愛生女流四段

    大盤解説会で解説を行う解説棋士の金井恒太六段(右)と女流棋士の香川愛生女流四段=8日午後1時40分ごろ、深谷市下手計の八基公民館体育室

  • 藤井王将が注文した「煮ぼうとう・とろろご飯(あまりん付き)」(日本将棋連盟提供)

    藤井王将が注文した「煮ぼうとう・とろろご飯(あまりん付き)」(日本将棋連盟提供)

  • 大盤解説会で解説を行う解説棋士の金井恒太六段(右)と女流棋士の香川愛生女流四段
  • 藤井王将が注文した「煮ぼうとう・とろろご飯(あまりん付き)」(日本将棋連盟提供)

 藤井聡太王将(22)=竜王・名人・王位・王座・棋王・棋聖との七冠=が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)と対局する将棋の「ALSOK杯第74期王将戦」7番勝負第5局が8日、深谷市血洗島の旧渋沢邸「中の家(なかんち)」で始まった。同市下手計の八基公民館では大盤解説会も行われ、全国から集まった将棋ファンら約200人が歴史的な一手も飛び出した大一番の行方を食い入るように見守った。

 同解説会は解説棋士として金井恒太六段(38)=上尾市出身、女流棋士の香川愛生(まなお)女流四段(31)などが参加。藤井王将が2手目でこれまで定番だった「8四歩」ではなく、公式戦で初めて「3四歩」を指したことに触れ、香川女流四段は「二度見してしまった」と驚き、金井六段は「前回敗れたこともあり、流れを変えたかったのではないか」と分析した。

 横浜市から訪れた会社員伊藤武彦さん(54)は「藤井さんが2手目に新しい手を打って、非常にびっくりした。これからどうなるのか、めちゃくちゃ楽しみ」と笑顔。深谷市から参加した会社員梅沢理恵さん(34)は「多くの人が集まっていて、驚きだった。昨年の新1万円札に続いて、また深谷が全国から注目されれば」と期待を込めた。

 会場ではおやつ当てクイズなども実施され、盛り上がりを見せた。来場者には市地域通貨ネギー500円分をプレゼントしたほか、渋沢栄一の好物だった煮ぼうとうも約300杯が無料配布され、好評を集めた。大盤解説会の開催時間に合わせて、JR深谷駅と八基公民館をつなぐ無料シャトルバスが運行され、来場者は会場内の渋沢栄一記念館資料室なども見学した。

 昼食に振る舞われる「勝負めし」は、藤井王将が「煮ぼうとう・とろろご飯(あまりん付き)」(麺屋忠兵衛 煮ぼうとう店)、永瀬九段が「深谷ねぎカレーやきそば(とろろご飯・甘~い卵焼き付き)」(居酒屋大八)を注文。「勝負おやつ」と「勝負ドリンク」は、県オリジナル品種のイチゴ「あまりん」を使ったメニューが人気を集めた。

 対局開始時などには、1日の王将戦記念・渋沢栄一杯こども将棋大会に出場した子どもたちも会場を見学。同大会の上級者クラスで優勝し、7日の前夜祭で藤井王将から表彰状を授与された深谷市立藤沢小学校5年の長谷川正宗さん(11)は「緊張感がすごくて、本当に中に入っていいのかなと思った。終盤に強い藤井先生に勝ってもらって、タイトル八冠を目指してほしい」とエールを送っていた。

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