残業代の是正勧告に従わず 障害者ホーム大手「アニスピ」
2025/02/17/15:53
「業界最大手」とうたい、運営していた障害者向けグループホーム(GH)で文書の捏造が明らかになった旧「アニスピホールディングス」(東京、現在は2社に分割)が2023年、労働基準監督署から未払いの残業代などを元社員に支払うよう是正勧告を受けたのに、従っていないことが17日、分かった。
群馬県で同社が運営していたGHで障害福祉サービスの報酬(給付金)の過大受給があり、返還予定時期から8カ月以上過ぎた今月5日時点でも返還が済んでいないことも判明した。過大受給額は少なくとも約660万円。
旧アニスピ社運営のGHを引き継いだ「SCJ」は取材に対し、「残業時間として捉えるかどうか、労基署と見解の相違がある」と回答。報酬の過大受給については「一部は返還済みで、残りも返還計画書を群馬県に提出した」としている。
共同通信が入手した是正勧告書などによると、旧アニスピ社は大阪市内のGHで勤務していた元社員1人に対し、開設時の20年11月から3年近くの間、時間外と深夜労働の割増賃金を支払っていなかった。