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鷲宮 3―1 聖望学園
戦評…五回にスクイズなどで3点を先制した鷲宮が、エース増渕竜の好投で競り勝った。
鷲宮は五回一死一、三塁から竹岡のスクイズで1点を先制。さらに一死満塁から安田の遊ゴロで三塁走者が生還、二塁手の一塁悪送球で二塁走者も生還し、この回計3点を奪った。増渕竜は九回に1点こそ失ったが危なげない投球内容。
聖望学園はエース橋本が三回と五回以外はいずれも三者凡退に抑える好投だっただけに惜しまれる。打線は九回一死三塁から小野の遊ゴロで1点を挙げたが反撃が遅かった。
命懸けの究極プレー
鷲宮
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| 鷲宮―聖望学園 5回表鷲宮1死一、三塁、竹岡のスクイズが決まり、三塁走者の増渕竜が右手をいっぱいに伸ばし先制の生還。捕手上原 |
気負わず、焦らず、平常心。最後まで自分たちの野球を貫き通した鷲宮が、私学3強のうち春日部共栄に続き聖望学園も下し、甲子園マジックを「1」とした。決勝の相手は、もちろん3強最後の一角、浦和学院。
高野監督は「選手たちが全力でやった結果。自分たちの形を大切にしてきたからこそ、ここまで来られた」と喜びを抑えながら、冷静に試合を振り返った。鷲宮が貫いた「自分たちの野球」「自分たちの形」とは―。
ヒットは鷲宮3本、聖望学園が5本。絵に描いたような投手戦。両エースの出来からして誰もが1点勝負とにらんでいた。五回表、グラリと試合が動いた。
先頭の増渕竜が振り逃げで出塁した。森田の初球バントで一死二塁。続く須釜の右前打で一死一、三塁と絶好機を築いた。
先制機は三回にもあった。一死三塁。スクイズに出たのだが聖望学園の好守に阻まれ本塁タッチアウト。今度はどう攻めるのか、勇気と力が試される場面だった。
だが、高野監督の信念は揺らぐことがなかった。迷うことなく初球スクイズ。8番竹岡は奇麗に一塁前に転がした。三塁走者の増渕竜はけがを恐れずヘッドスライディング。利き腕をベースに突き出して、待望の1点をもぎ取った。
スクイズは失敗すれば一瞬で流れが変わる究極のプレー。監督とナインの信頼が強くなければ決められない。高野監督はバントに懸ける情熱をこう語る。「どういう思いでバントをやるかが大切。気持ちの部分を大切に一番こだわってやってきた」と胸を張った。
まるでこの言葉を聞いていたかのように、スクイズを決めた竹岡は「命懸けで決めようと思った」。
主将の川村も言う。「バントは鷲宮そのもの。バント一つで流れは変わる。あすも気持ちで負けずに全力でぶつかりたい」
鷲高野球の基本こそバント。地にはいつくばるバントこそ高校野球の原点か。
「自分たちの野球」「自分たちの形」を最後まで貫き通したとき、鷲高野球部物語の最終章が完結する。
気丈な主将も最後に涙
聖望学園
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| 鷲宮―聖望学園 5回表、失策絡みで3失点した聖望学園のエース橋本(左)を励ます久保主将 |
「泣くな。頑張ったんだ。最後までしっかりやるんだ」。試合後、ベンチ裏に引き揚げた仲間たちに声を掛ける久保。地面に額を付けて泣き崩れる選手らを主将として優しく、強く、励まし続けた。
しかし、コーチに肩を抱かれると、表情が一変。そのまま顔を胸にうずめ、涙で顔をゆがませた。
ピンチの時、集中力が切れそうな時、率先して声を掛けて鼓舞。四回、増渕竜から右前打を放つなど主軸として打線も引っ張った。しかし、続く六回の得点機に敬遠され、九回の打席も内野ゴロに倒れた。
「増渕君対策はしていた。でも、大事な場面で打てなかった。好投した橋本に謝るしかない」。責任感の強い主将らしい言葉だった。
試合後、鷲宮の川村主将と握手を交わし、「自分らの分も、甲子園で暴れてきてくれ」とナインの気持ちを伝えた。主将としての最後の仕事。同じ重責を担う川村の心に響いたはずだ。
悪い方へ予感“的中”
「好投手が相手だとミスを出した方が負ける」。そんな岡本監督の予感が思いがけず“的中”した。
雌雄を決したと考える場面は五回、エース橋本が先頭打者への暴投で与えた振り逃げだ。これを足掛かりに犠打や適時打が絡んで3点を失う。
「鷲宮は打者が食らい付く姿勢に勝っていた。ゴロが(外野へ)抜けていくのは執念だと思った」と岡本監督。「打てばチームが勢いづく」という3番久保も1安打に抑え込まれた。
一方、被安打3で完投した橋本への敬意も忘れない。「打者を抑え込める投手に育ってくれて感謝している」。ナインへは「みんな頑張ったし、何も言うことはない」とねぎらった。
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