WEB埼玉

2006年7月29日(土)

 

本領発揮の常勝軍団
浦和学院―本庄一
高校野球埼玉大会

 

浦和学院 5―4 本庄一

 戦評…11安打で5点を挙げた浦和学院が、本庄一との接戦に打ち勝った。

 浦和学院は1点を追う三回、一死満塁から鮫島が右前へ2点適時打を放って逆転。さらに相手失策や川村の中前打で、この回4点を奪った。4―4の七回には、一死一塁で安藤の左中間三塁打が飛び出し決勝点。五回から登板した3番手の赤坂が、本庄一を無失点に抑え、リズムをつくった。

 12残塁の本庄一は好機を生かし切れなかった。七回二死満塁で、金成が放った安打性の遊ゴロを浦和学院の敷地に阻まれるなど、相手の好守にも泣かされた。

苦戦続きもやっぱり来た
浦和学院

本庄一―浦和学院 7回表2死満塁のピンチをファインプレーで救った敷地(16)を出迎える浦和学院ナイン

 やはり浦和学院が決勝に上がってきた。2年ぶり12度目の進出ともなれば、もはや「指定席」みたいなもの。今大会はDシードながら、昨秋の県大会覇者が本領を発揮しだした。

 花咲徳栄との準々決勝は1点差の辛勝。この日も本庄一に5―4。だが、内容はまるで違っていた。

花咲徳栄戦後に雷を落とした森監督は「負けても勝ってもいい。おどおどせず、スカッと開き直ってほしかった」と晴れやか。4―4で迎えた七回の攻防が、勝負の分かれ目になった。

 表の守りは二死満塁の大ピンチ。本庄一の金成が放った痛烈なゴロが三遊間を襲う。遊撃手の敷地が横っ跳びで捕球すると、一塁へストライク送球でアウト。敷地は「投手を何とか助けてやろうと、夢中で飛び込んだらグラブに入った」と興奮冷めやらない。

 その裏、一死一塁で4番の安藤に回ってきた。森監督は「4番らしく、パカーンと打ってこい」と激励。3打席目まで無安打だった主砲は、本庄一のエース金成の外角直球をフルスイングすると、左中間を真っ二つ。貴重な三塁打で欲しかった1点をつかんだ。

 投手力に不安を抱えるチームは、バックが守って打ち勝つしかない。三回にいったん逆転する2点適時打を放った3番の鮫島は「金成は2年生だし、狙いを定めて引っ張った」と同学年の相手エースに強気。強力打線は11安打を打ちまくった。4点取られたら、5点取ればいいじゃないか。

 春の県大会で16強に終わったチームは、監督も選手も迷いを振り払うことで強さを取り戻しつつある。鷲宮との決勝は増渕竜が相手。主将の内田は「一対一じゃ勝てないが、9人で、いやメンバーみんなで打ち崩してやる」と決意。剛腕を攻略したとき、8度目の甲子園が待っている。

輝き出した県北の新星
本庄一

本庄一―浦和学院 6回裏浦和学院2死二塁、堀越の中前打で二塁走者内田(9)がホームを狙うがタッチアウト。ガッツポーズする捕手の中村

 創部12年で初のベスト4に進出した本庄一が、強豪浦和学院と堂々と渡り合った。わずか1点差での惜敗に「選手はよく頑張った。この1点を埋める野球をやり、必ず県北から甲子園出場を果たす」と須長監督。

 逆転された直後の四回、強力打線が火を噴いた。関屋の二塁打を足掛かりに3連打で1点、さらに西村の左前打などで同点に追い付く。エース金成も四回からは1失点と好投した。

 ただ、五回以降は好機を築きながら浦和学院の好守にも阻まれ、勝ち越せなかったのが悔やまれる。九回も一死一、二塁のチャンスに松岡主将が併殺打。

 一塁ベースに執念のヘッドスライディングを見せた松岡は「全員野球で決してあきらめない、最高のチームだった」。涙で顔はくしゃくしゃ。ユニホームは泥で真っ黒だ。

 「中学では実績のない選手ばかり。選手層の薄い県北だが、やればできることを示した」と須長監督。鍛えれば守備はうまくなる。泥にまみれて練習した成果が出たのは六回二死二塁。

 中前打で本塁を狙った浦和学院の二塁走者を、センター四戸がダイレクト返球で刺した。4強一の高打率を誇る打線だが、6試合で2失策と堅守も光った。

 金成は2年生。「来年はウラガクを倒し甲子園へ行く」。遠かった夢の舞台が夢ではなくなった。

 埼玉を代表する私学といえば春日部共栄(東部)、聖望学園(西部)、そして南部の浦和学院。近い将来、北部から新興私学が割って入る、そんな予感を持たせる快進撃だった。

 
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