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聖望学園 3―1 東農大三
五回に3連打を含む4安打を集めて3点を奪った聖望学園が、東農大三に3―1で逆転勝ちした。
聖望学園は五回裏、先頭の田草川が左中間二塁打で出塁すると、一死三塁から2番・寺本の左前打で同点。久保が中前打で続き、4番・小野が右中間へ2点三塁打を放って勝ち越した。東農大三の前野の外角直球を狙い打った。
東農大三は五回表に先制したが、これが唯一の得点。聖望学園の橋本に要所を抑えられた。エース前野も一本調子になったところを狙われた五回の投球が悔やまれる。
初の自責点で反省しきり
○聖望学園 チームをベスト4にけん引したエース橋本。初戦から5試合連続の完投勝利と大車輪の活躍だが、橋本は「制球ミスで先制点を奪われた」と浮かれた様子はなかった。
五回二死二、三塁から、前の打席で三振を奪っていた4番川口に左前に運ばれ、初の自責点が付いた。橋本は「また三振で打ち切ろうと思ったが、球が高めにいった」。
得点圏に走者を置くが、味方打線がなかなか得点できない展開に「早く点を取ってくれという弱い気持ちが失点に表れた」と勝ってもなお反省。
準決勝では好投手増渕竜を擁するAシード鷲宮。橋本は「増渕と投げ合いたい」と闘志を燃やしていた。
不振脱出の勝ち越し打
1点ビハインドの五回裏、聖望学園打線が火を噴いた。「初めて先制されたが、すぐ追い付けたのが大きい」と岡本監督。今大会、マウンドを1人で守り抜くエース橋本が初の自責点を許した直後、3連打を含む4安打で3点を挙げ、Bシードに逆転勝ちした。
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| 聖望学園―東農大三 5回裏聖望学園1死一、三塁、決勝点となる右越え三塁打を放った小野(左)が三塁上でガッツポーズ。三塁手川口=市営大宮 |
東農大三の先発はエース前野。5回戦では11奪三振で完封した右腕だ。試合中盤とはいえ、聖望学園は強攻だけで好投手を攻略した。岡本監督は「スクイズはミスしたら、流れを一気に持っていかれてしまう。力と力の勝負なら、駄目でも納得いくと思った」と言う。指揮官の強気がナインのバットに乗り移った。
「外角直球をたたけ」。アウトコースの出し入れが絶妙な前野のウイニングショットにあえて挑んだ。
先頭の9番・田草川が左中間二塁打を放ち、一死三塁となった後、2番の寺本は「前野君が強気だったから、気持ちで負けない」と、カウント2―2からの決め球を左前打して同点にした。
久保も中前打でつなぎ、一、三塁。4番・小野が0―2から外角高めの直球を振り抜くと、打球は右中間を真っ二つに破った。勝ち越し2点三塁打。5回戦まで2安打、1打点と苦しんだ主砲は「今までガチガチだったので、『打ったら目立つかな』なんて考えていた」。真剣勝負を楽しむ余裕がプラスに働いた。
4安打はすべて、前野の外角直球を痛打したもの。中堅を中心に逆らわずはじき返した。基本に忠実な意識に裏打ちされている。主将の久保は「いい投手の得意球をつぶせば、どんなにすごくても崩せる」と自信がにじむ。
準決勝は全国屈指の右腕・増渕竜を擁するAシード鷲宮が相手。これほど攻略しがいのある豪腕はめったにいない。
涙は来年の勝利のときに
●東農大三 両チーム無得点で迎えた五回、先制の左前打でチーム唯一の得点をたたき出した2年生の主砲川口。「打席に入る前、好投している前野先輩が声を掛けてくれた。どうしても1点を取りたかった」と、振り返った。
1年生の秋から4番に座った。公式戦で三振して最後の打者となり、泣き崩れたこともあった。チームを去る先輩たちの涙の場面に立ち会うのも、今回で二度目となった。
「もっと長くこのチームでやりたかった。でも、来年は自分たちが中心になる。先輩たちのためにもあきらめない野球を続けなければいけない。勝った時のために、涙はとっておきます」。泣き崩れる先輩たちの前で顔を引き締めた。
力出し切り充実感
勝負を分けたのは五回の攻防だった。二死二、三塁から川口の左前打で待望の先制点を挙げる。ベンチのムードは最高潮に。しかしその裏、落とし穴が待っていた。「試合が動いたときは動くとき。点を取ったら必ず反発がある」。北島監督の不安は的中した。
五回裏、好投を続けてきたエース前野の球が上ずる。「このまま抑えれば勝てると思い、力が入ってしまった」。先取点を取ったことで逆に気負いが生じた。先頭の田草川に左中間へ強打され、左翼手の田辺が飛びつくもグラブに当てるのがやっと。出してはいけない先頭打者を出してしまった。
勝利を意識した瞬間、気持ちにスキができた。そこから流れは聖望学園へ。一死三塁から3連打を浴びて3失点。五回以外は持ち前の粘投で無失点に抑えていたのだが…。
今大会をほぼ一人で投げ抜いてきた前野。捕手の山口は「連投で疲れていたと思うが、本当によく頑張った」と相棒をねぎらった。前野は「気持ちの弱さが出てしまった」と自分を責めるも、「力を出し切れたので悔いはない。今まで支えてくれたみんなに感謝したい」と充実感に満ちた表情で話した。
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