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本庄一 10―2 熊谷商
本庄一が八回に6本の長短打で5点を奪い、粘る熊谷商を振り切った。
本庄一は2―2の五回、四戸の左越えソロで勝ち越すと、八回に打線が爆発。木原の二塁打を足場に金成の適時二塁打など、犠打と死球を挟んで6安打を畳み掛け、5得点し試合を決めた。投げては先発金成が粘り、強い投球で8回を2失点に抑え、リズムをつくった。
熊谷商は三回、高橋、関口の連打から好機をつくり、敵失に乗じて同点としたが、それ以降は打線が沈黙。終盤、頼みのエース久保田が本庄一打線につかまった。
自分に厳しく 真の4番打者へ
○本庄一 同点で迎えた五回、決勝点となるソロホームランを左翼スタンドに放った主砲の四戸。「公式戦のホームランは初めて。本当に気持ちよかった」と振り返った。
入学当初は目立たない存在だった。めきめきと実力を付け、昨秋に打順8番で初のレギュラー入り。春に6番に昇格し、夏から任された4番の座で放った一発だった。
無口だが、自分に厳しい性格。けがをしても練習を休まず、チャンスに結果を出し続けた。須長監督も「本当に一番力をつけた選手。大会の起点になっている」と絶大な信頼を寄せる。
チームの波に乗り初のベスト4進出。「失うものはない。挑戦者として勝ち続けたい」と胸を張った。
新たな歴史へチーム一丸
本庄一が古豪・熊谷商との県北対決を制し、創部13年目で初の4強進出。四回までは2―2と緊迫した試合展開。後半から流れをぐっと引き寄せての快勝に、須長監督は「本庄一の歴史を刻むステップになった」と、ナインの粘りをたたえた。
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| 熊谷商―本庄一 2回表2死二、三塁、金成の右前打で二塁走者木原も生還し2点目。捕手田島=市営大宮 |
勝敗の分かれ目は五回だった。この回、主砲四戸の本塁打で1点を勝ち越し。しかし、その裏無死二、三塁のピンチを迎える。一打出れば流れが一変する局面。ここで2年生エース金成が踏ん張った。直球を低めに集め、後続を3人でぴしゃり。
金成を勇気づけたのは、ピンチで伝令にやって来た3年生の堀川。「2点取られてもいいから強気で攻めろと言われた。これで気持ちが楽になった。先輩たちにはいつも助けられています」と感謝しきりだ。
エースの力投に打線も応えた。八回一死から木原が二塁打を放つと、「ヒットがなかったので絶対かえすつもりだった。スライダーを狙ったけど、タイミングが合ったので直球をたたいた」という6番関屋が、気迫の中前打で貴重な追加点。波に乗った打線は眠りから覚めたように、その後も3本のタイムリーを畳み掛けた。
突出した選手はいないが、全員で攻めて守るのがチームの身上。準決勝の相手は埼玉を代表する強豪、浦和学院だ。「県北チームでも優勝を狙えることを証明したい」と話す須長監督は「選手たちにとってこれからは未知の世界。でも彼らはやってくれるでしょう」と自然体。主将の松岡も「挑戦者の気持ちで思い切ってぶつかるだけ」と気負いはない。ベテラン監督に支えられ、新興チームの新たな歴史がまた、始まろうとしている。
ナイン鼓舞も8回で力尽きる
●熊谷商 主戦久保田がついに力尽きた。1回戦から5回戦までの5試合を1人で完投した絶対的なエース。シード校相手に七回までは3失点と持ちこたえたが、八回4長短打を集中され、マウンドを降りた。
「疲れが限界にきていた」と江原監督。それでも久保田は「連投の疲れはあったが、それを見せるとチームが終ってしまう」と強がった。走者を背負っても顔色ひとつ変えず、マウンドからナインを鼓舞し続けた。
試合後、スタンドの熊商ファンから温かく迎えられた久保田。同校21年ぶりの8強進出の原動力だ。久保田は「皆さんの応援はしっかり耳に届きました」と言い、グラウンドを去った。
復活のベスト8
公立校の光 長い夏に終止符
九回二死、主将の小島が放った飛球が右翼手のグラブに収まると、熊谷商の長い夏が終わった。21年ぶりに8強入りした古豪だが、Dシード本庄一に2―10。完敗だった。
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| 準決勝進出を逃しベンチ裏で肩を落とす熊谷商ナイン |
快進撃を続けたノーシード校は、今大会6試合目。未経験の領域に心身とも疲労が蓄積していた。ほとんど1人で投げ抜いたエース久保田は、七回まで3失点の粘投。だが八回につかまり、マウンドを降りた。「朝から右脚がパンパンに張っていた。仲間には黙っていたけれど、あの回から下半身が使えなくなり球が浮いた」と無念そうだ。
打線も五回無死二、三塁の好機に4、5、6番が凡退した。江原監督は「バットを振リ切る体力が残ってなかった。層の薄さが出ましたね」と敗因を挙げる。
春夏通算6度の甲子園出場を誇る名門も、江原監督が就任した5年前は部員が20人に満たなかった。自身が1981年夏の甲子園で16強入りしたときの主力だっただけに、「時代の波とはいえ、寂しかった」と振り返る。商業高校はどこも女子生徒が多い傾向にある。部員が48人に増えた今も、全校698人のうち、男子は230人。人材確保に苦しむのも無理はない。
「伝統校に恥じない結果を出したかった」と小島。逆境を力に変えたのは、鍛錬と復活への熱意だ。
約200人の現役生徒のほか、たくさんのOBらが球場で声をからし、応援席は涙と笑みでくしゃくしゃになった顔、顔であふれた。牧幸夫校長は「努力を重ねる大切さ、一つになる掛け替えのなさを教えてくれた」と拍手を送る。この夏、熊谷商は公立校すべての希望の光になった。
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