WEB埼玉

2006年7月26日(水)

 

堅守で8強、気合勝る
東農大三―川越
高校野球埼玉大会

 

東農大三 5―0 川越

 東農大三は一回、川口の中前打で先制。二回にも2点を加えるなど、10安打で小刻みに得点した。川越は東農大三の前野に4安打、11三振で完封された。

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川越―東農大三 川越を4安打完封した東農大三の前野=上尾市民

 東農大三のエース前野が、川越を被安打4、11奪三振で完封し、4年ぶりの8強に名乗りを上げた。右腕を中心にした堅守こそ、Bシード校の持ち味だ。

 三回までは完全試合だった。四回二死から浴びた初安打は二塁打。だが、前野は「直球が9割。(捕手の)山口が構えるところに投げて打たれたら仕方ない」と強気。川越の4番・橋本秀の懐に直球をズバッ。見逃し三振を奪った。

 五、六回も走者を背負った場面を三振で仕留めた。決め球は直球。速さは130キロそこそこ。「制球が良かった。内外角の判定が広かったので、ストライク、ボールの出し入れで勝負した」と前野。審判を味方につける頭脳も備える。

 反骨精神の持ち主だ。前野は中学時代、上尾シニアに所属したが、帝京中(東京)に入学。将来、帝京高でのプレーを夢見ていたのだ。ところが、同校へ進学する前に野球部の選抜に落選。桶川の自宅から通える東農大三に方向転換した。「だったら地元の学校で力を付けてやろう」

 前野の力投にバックも応えた。五回、主将の志村雅が三遊間の当たりに飛びつき遊ゴロ。山口は川越が試みた二盗を二つとも阻止。女房役は「僕らは守りでリズムをつくるチーム」と胸を張る。失策0。今大会4試合でもわずか1だ。

 北島監督は「きょうは調子が良かったけれど、まだいけますよ」。いまだ前野は全開ではない? 監督いわく全開になったとき、初の甲子園が近づく。

「笑利が一番」 主将に笑顔

 ○東農大三 3点リードで迎えた四回、意表を突くスクイズを成功させた主将の志村。「追加点がどうしても欲しかった。狙っていました」と振り返った。

 五回には三遊間の打球に横っ飛びで食らいつき、二塁走者をアウトに。「うちはホームラン打者もいない。取れるときに得点して、しっかり守り切らないと勝ち進めない」

 試合中に首に掛けていたのは、4回戦で5―4の接戦をした上尾高校のキャプテン田中からもらったお守り。「笑利が一番」と縫い込まれた文字を見ながら、笑顔を浮かべた。

無念の敗退 速球に屈す

 ●川越 有効な反撃のすべを見いだせず、スコアにはゼロの列記を余儀なくされた。吉野監督は「前野投手の速球に勝つだけの体力と技術が足りなかった」と無念そうだ。

 一回、四球で出した先頭打者を、犠打と安打で本塁へかえされた。二回には長短3安打で2点を失う。計10安打を浴びた糸部は「甘い変化球を投げると、体勢を崩してでも外野に持っていかれた」と回想する。

 主将の西尾は第1打席の二回、自身から空振りを奪ったマウンド上の前野から、鋭い視線を受けた。「シード校の気合を感じた」と西尾。四回以降に放った長短4安打は、いずれも散発だった。吉野監督は「5回戦から上は大きな壁だ」と、かみ締めるように語った。

 
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