WEB埼玉

2006年7月26日(水)

 

21年ぶり8強、吹くか熊商旋風
熊谷商―坂戸西
高校野球埼玉大会

 

熊谷商 3―2 坂戸西

 熊谷商が接戦を制した。五回二死三塁から暴投の間に決勝点。久保田は5安打2失点と粘り強く投げた。坂戸西は打線がつながらず、1点差に泣いた。

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 ゲームセットを迎えると、選手たちが一斉にベンチを飛び出した。Dシード坂戸西を破り、21年ぶりの8強進出。グラウンドにはエース久保田を中心に歓喜の輪が広がった。

熊谷商―坂戸西 2回裏熊谷商1死三塁、小島が先制スクイズを決める=県営大宮

 1980、81年に熊谷商が夏の甲子園に出場した時の選手だった江原監督は「苦戦すると思っていたので勝ててほっとした。昔のようなイケイケ野球とは違うが、みんなで新しい歴史をつくろうと話していた」と満足げな笑顔だ。

 苦しい展開だった。主将の小島の2度のスクイズなどで3点を先行。だが、七回その小島の失策から1点差に詰め寄られた。二死二塁の場面で、エース久保田は気力を振り絞る。「ミスしたら自分がカバーすれば失点はなくなる。抑えるのが自分の仕事」と後続を三振に抑えてピンチをしのいだ。

 春夏通算6度の甲子園出場を誇り、夏は全国大会ベスト8に進出したこともある古豪。昔ならバントもせず、とにかく打つのが「熊商野球」の醍醐味(だいごみ)だったが、今は、剛腕投手もスラッガーもいない。それでも、ひたむきに、粘っこくチーム一丸となって戦えるのが強みだ。

 主将の小島は「自分たちはみんなでやるスモールベースボールでいい。ベスト8は目標だったけど、これからは目の前の相手を倒していくだけ」と旋風を巻き起こすつもりだ。

 85年の選抜大会以来、甲子園から遠ざかっている。栄光の歴史を彩った時代の後に生まれた選手たちが、新しい「熊商野球」の歴史をこれからも築いていく。

乗りに乗ってるラッキーボーイ

 ○熊谷商 チームを引っ張るのは7番塚田だ。二回の先頭打者として左翼線に二塁打を放ち、送りバントとスクイズで先制のホームイン。四回も先頭で登場し、相手遊撃手の失策で思い切りよく二塁に進塁。再び犠打二つで生還した。

 4回戦でも3安打2打点の大当たり。乗りに乗ってる7番は「いい感じで打てています。走塁は下手くそだけど、運もあります」と、メガネの奥で笑顔をはじけさせた。

 父親の朗さんは、強豪の熊谷工ラグビー部の総監督。「リラックスしていけ」など精神面のアドバイスを受けているという。「野球が楽しくってしょうがない。まだまだ行きますよ」。ラッキーボーイの勢いは止まりそうもない。

2回に先制されリズムつかめず

 ●坂戸西 「前半に先制点を取られたのが痛かった」。勢いづく古豪熊谷商にもっていかれた先制点を熊沢監督は悔いた。

 二回、エース小島が先頭の塚田に浴びた二塁打をきっかけに、スクイズから1点を献上。四回には失策で許した走者をやはりスクイズでホームにかえされた。

 小島は「立ち上がりが悪かった。高めに浮いた球をうまく打たれた」。五回には自らの暴投で3点目を失った。六回以降、熊谷商打線を完全に抑えただけに、小島は「序盤の制球の悪さが最後まで響いた」と反省した。

 敗れはしたが、七回に竹内の三塁打などで1点差に迫る粘りも見せた。大会に入ってから右手小指を骨折し、ベンチから仲間を鼓舞し続けてきた中島主将は「来年こそ、ベスト8に進んでほしい」と後輩に夢を託した。

 
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