WEB埼玉

2006年7月23日(日)

 

梅雨空切り裂く闘争心
新座7-5北本
全国高校野球埼玉大会

 
北本─新座 同点に追いつかれた9回、サヨナラのピンチをしのいで笑顔を見せる新座の手塚=上尾市民

 ぐいぐいともっていかれそうな嫌な流れを断ち切っての勝利。新座ナインの勝利の雄叫びが、どんよりとした曇り空を切り裂いた。

 目を充血させて、ベンチから引き上げてきた五十嵐監督は、「選手を見ていて、負ける気持ちはしなかったんだよ」。放心したような表情で言い切った。

 流れは、土壇場で追い付いた北本に傾いていた。2回戦を終盤の固め打ちで逆転した北本。展開はそれと似ていた。

 九回。球威に衰えが出た2年生エース手塚がつかまった。5連打などで3失点。手塚は「勝ちを意識して力んだ」と反省した。

 打線も北本の2番手、柳田から六―十回は無得点、7奪三振と牛耳られた。

 それでも、追い詰められたナインに笑顔がこぼれ、監督には揺るぎない勝利への自信があった。

 今春、精神的な弱さが露呈し、練習試合に敗れた。監督から「やる気がないなら辞めろ」と、3年生に引退勧告が出された。3年生は5月の3日間、球に触れず、グラウンドの草取りを命じられた。

 「あの3日間が大きかった。最後まで向かっていく闘争心が根付いた」と主将の早川が明かす。同監督も「選手にナニクソという意識が芽生えた」とみる。

 迎えた十一回、一死後から内野安打と四球の走者を犠打で送り、四番高橋薫のタイムリーという、高校野球のセオリー通りの攻めで決勝点。精神的なたくましさが大舞台で開花した瞬間だった。

 タフさを増した新座ナインが、初の4回戦突破に挑む。

集中打生んだ信じる気持ち

 ●北本 3点を追う九回裏。「絶対追い付けると信じていた。負けるなんて思いもしなかった」(新井主将)。自分と仲間を信じる気持ちが集中打を生んだ。先頭大畑の三塁打を足場に4連続単打で追い付いた。1回戦は八回に3点、2回戦は八、九回に計12点を奪った集中打をこの日もみせた。同点打の代打岡村は「みんなの心がかみ合っていたから打てた」と振り返った。

 結果は延長十一回で力尽きたが、九回を迎え「正直駄目かなと思っていた」という鹿沼監督の想像を、ナインの強い気持ちが超えた試合だった。

 
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