WEB埼玉

2006年7月17日(月)

 

「考える野球」シード破る
川越東―所沢商
高校野球埼玉大会

 

川越東 8―7 所沢商

 7―7の延長十一回、川越東は二死一、三塁から根岸が左前へサヨナラ安打を放った。所沢商は7点差を粘り強く追いついたが、七回以降は得点できず。

所沢商―川越東 延長11回の末、Bシード所沢商をサヨナラで破り、喜び合う川越東の選手たち=川越初雁

 ○川越東 延長11回裏、川越東は二死二塁から3番猪瀬が左前打でつないで一、三塁。一打サヨナラのチャンスで4番根岸が打席に立った。

 ベンチ、スタンドの盛り上がりは最高潮に達していた。その勢いを根岸は肌身で感じ、「初球を狙っていた。打った瞬間抜けると思った」と真ん中低めの直球を積極的に強打。打球は三遊間を破った。Bシード所沢商を撃破した瞬間だ。

 立ち上がり、電光石火の攻撃で大量7点を奪った。しかし相手は2年前に準優勝した強豪校。三回以降は得点を奪えず、逆に反撃をくらって六回に追い付かれてしまった。

 七回からは「我慢比べ」の様相。阿井監督は元ヤクルトの投手。ピンチの場面では先発の森を中堅に移して榎本、福満をマウンドへ。その後、再び森に投げさせるなど投手起用の妙を見せた。我慢比べの背景には智恵比べの戦いもあった。七回以降、出した走者は1人だけ。巧みな戦術で所沢商の勢いを沈め、劇的な金星につなげた。

 根岸は言う。「監督さんは自分たちに考えさせる野球を教えてくれます。分からないとヒントをくれます。でも試合中の指示は『思い切っていけ』だけです」

 奥深い野球の戦略を駆使し、強豪校を相手に堂々の戦いぶり。選手に全幅の信頼を置く監督とナインが、シード校の夏を砕いた。

まさかの初戦敗退

 ●所沢商 スカイブルーのユニホームがグラウンドに崩れ落ちた。優勝候補の一角が初戦で姿を消した。

 立ち上がりにまさかの7失点。絶体絶命のピンチに追い込まれたが、古豪はここから意地を発揮した。

 「嫌なムードだったけど、1点ずつ取り返そうと励まし合った」と塩賀主将。二回途中から継投した和田が4連続三振を奪って悪い流れを断ち切ると、四回に打者11人の猛攻で5点を返し、六回に追い付いた。

 七回以降は一転して1点を争う緊迫した展開。しかし川越東・阿井監督の変幻自在の投手起用にかわされ、勝ち越せなかった。

 延長十一回、力投の和田が力尽きた。「厳しい試合は予想していた」と塩賀主将。2年前の準優勝校の早すぎる敗戦に、ショックの色を隠せなかった。

 それでもスタンドからは惜しみない拍手。観戦したファンは「7点差をよく追い付いた。夏の所商らしい、素晴らしい試合だった」とたたえ、来年の奮起を期待していた。

 
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