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第88回全国高校野球選手権埼玉大会は12日、県営大宮球場で開幕。昨年より2校減の162校が参加し、29日の決勝まで頂点を懸けた熱戦が繰り広げられる。
鷲宮、春日部東のAシードに、昨夏の代表校、春日部共栄や昨秋優勝の浦和学院などの強豪がしのぎを削る混戦模様の今大会。公立が8年ぶりに覇権を奪還するのか。それとも春に振るわなかった私立が巻き返しを図るのか、「戦国埼玉」の行方を展望する。
春日部共栄、浦和学院が先行
優勝戦線をリードするのは春日部共栄と浦和学院の2強だろう。これを鷲宮、埼玉栄、聖望学園といった好投手を擁する実力校、春日部東、所沢商、東農大三などが追い掛ける展開になりそうだ。ノーシードでは花咲徳栄、浦和実、市川口などが有力。だが、各校とも実力は紙一重で、混戦の可能性もある。
春日部共栄は投打のバランスがいい。投手陣は大竹、岡田の両右腕、昨夏活躍した難波を擁し層が厚い。打撃陣は成長著しい坂井、パンチ力のある佐藤、高校通算24本塁打の2年生斉藤彰の主軸が脅威だ。春先は140キロを想定した打撃練習を繰り返し、速球対策も万全。堅守は相変わらずだ。
昨秋の県大会を制した浦和学院は強力打線が武器。打線にリズムを生み出す堀越がけがから復帰したのが好材料だ。2番坂上から7番安藤までいずれも長距離砲がそろい、下位も粘り強い。投手陣は制球力のいい右の内山が中心となりそうで、赤坂、西村が控える。
鷲宮の増渕竜は今大会屈指の右腕。最速147キロの直球とスライダーは超高校級だ。連投が予想されるが、強い精神力で乗り切りたい。前回準優勝した埼玉栄の右腕木村も負けてはいない。最速146キロの直球と鋭い2種類のスライダーはもちろん、打者としての能力も高い。昨夏の雪辱を果たせるか。
聖望学園はエース橋本の出来次第だろう。直球の切れ、球威がともに増し、三振を奪える変化球を習得。打線は久保を中心に活発だ。春日部東はエース中野の制球力が命運を握る。主砲川崎など打力もあるだけに、投打の歯車がうまくかみ合えば面白い。
所沢商は機動力が特長だ。チーム一の俊足・林は50メートル5秒台で小技も得意。ほか7人の先発メンバーも6秒台前半の走力を持ち、好機に畳み掛ける。東農大三は右腕前野が軸。最速138キロの直球で内角を鋭く突き、制球力も安定している。花咲徳栄は左が5人並ぶ打線に迫力がある。浦和実、市川口は投手力が充実している。
今大会一番の激選区
立教新座−春日部東ゾーン
実力校がひしめく最激戦区。特に伊奈学園―春日部東ブロックは今大会一番の難所で、どこが勝ち上がってもおかしくない。立教新座―浦和学院ブロックは浦和学院の対抗馬がどこかに注目したい。
春日部東は3回戦で投打に安定感のある大宮東との対戦が予想され、序盤から気を抜けない。ここを突破しても、5回戦で花咲徳栄、伊奈学園、滑川総合などの強豪が待ち構える。
伊奈学園は都築、淵の投打の柱がしっかりしており、滑川総合は右の黒沢から左の井上への継投が盤石。花咲徳栄は4番長岡ら強力打線と投手力がかみ合えば、台風の目になる可能性がある。
浦和学院は春季県大会3回戦で敗れたが、夏に向けて調子を上げている。3回戦であたりそうな浦和北は春に接戦を演じた。持ち味の走力ですきを突きたい。
5回戦で浦和学院との対戦が予想されるのは東和大昌平、春日部、立教新座か。東和大昌平は本格派平井が充実。立教新座―春日部は2回戦の好カード。立教新座はエース宇津井、春日部は攻守の要の小山が鍵を握る。
準々決勝で2強激突か
鷲宮−春日部共栄ゾーン
鷲宮と春日部共栄が準々決勝で対戦する可能性が高い。鷲宮は4回戦の大宮北、5回戦の朝霞あたりが最初のヤマ。春日部共栄は3回戦の飯能が第一関門か。ここを勝ち上がれば、Dシード正智深谷か武蔵越生、久喜北陽との対戦が予想される。
大宮北は、昨夏好投した左腕井坂がチームをけん引。直球は最速128キロだが、カーブの制球が良く、試合を組み立てられる。
朝霞はエース志村が頼もしい。志村は今春、34回連続無失点と安定感が光った。捕手神田との呼吸も万全。
市浦和は横山が投打の柱。底力のある大井との顔合わせになれば、2回戦は好試合が期待できそうだ。
飯能は1年からのレギュラー組7人が最後の夏に勝負を懸ける。エース馬場は最速135キロの直球に力強さが増した。
正智深谷は制球力のある左の山口と主砲安藤が試合の流れを呼び込めるかがポイント。武蔵越生はエース井上、主軸の川筋を中心にまとまりがある。久喜北陽は昨夏8強の勢いを持ち込みたい。
シード勢、一歩リード
所沢商−埼玉栄ゾーン
所沢商、埼玉栄の力が抜きんでているゾーン。順当なら坂戸西、本庄一のシード勢を含めた4校が、8強入りを懸けて戦うことになりそうだ。
所沢商は比較的楽な組み合わせだが、気を引き締めて3回戦、5回戦を乗り切りたい。3回戦は越谷西か。岡田を中心とした強打があり、投手陣との歯車がかみ合えば脅威のチームだ。
対する坂戸西は、3回戦で秀明英光のスラッガー中屋をどう抑えるか。所沢商戦も含め小島―高井のバッテリーの働きがポイントだ。
本庄一―埼玉栄ブロックは、埼玉栄への挑戦権を懸けた戦いとなるだろう。秋、春と連敗している市川越は那須、鈴木を中心にリベンジを狙う。
本庄一はエース金成を温存しながら、5回戦に備えたい。ただ、3回戦の慶応志木は打力があり、慎重さが求められる。
川越東は元プロ野球選手、阿井監督の夏の初さい配に注目。選手宣誓の大役を務める大宮西と栄東は1回戦の好カードだ。秋、春ともに県大会に出場した蓮田も安定した力がある。
聖望学園軸に実力伯仲
聖望学園−東農大三ゾーン
聖望学園を本命とすれば、対抗は浦和実、市川口、上尾、東農大三が挙げられる。だが、聖望学園―松山ブロックは有力校が集中。本命とはいえ、序盤から気の抜けない展開に。
聖望学園は2回戦で機動力のある八潮南を突破しても、3回戦の富士見が難敵だ。左腕樋口は今春、城西大川越戦で19三振を奪う活躍。左投手を苦手とする打線だけに、どんでん返しもある。続く所沢北、春日部工も簡単ではない。5回戦は堅守松山が挑戦権を得るか。ただ、武南、川口工は底力があり、打力の深谷商、エース柳田が軸の北本も勝ち上がる可能性はある。
羽生一―東農大三ブロックは浦和実、市川口、上尾、東農大三がしのぎを削る。秋4強の浦和実はエース佐藤琢の出来次第。市川口は安保の粘投に期待が集まる。上尾は諸口中心の打線に迫力を増してきた。Bシードの東農大三にとっては市川口と上尾の勝者と当たるであろう4回戦がヤマ場だ。羽生一は浦和実との対戦で春の再現ができるか。足を使った攻撃で佐藤琢をかき回したい。
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