 |
| 緊張した面持ちでくじを引く各校の主将たち=20日午後、さいたま市民会館おおみや |
 |
| 対戦相手が決まって闘志を燃やす(左から)所沢商・塩賀、鷲宮・川村、春日部東・会沢、東農大三・志村の上位シード4校の主将たち |
20日、さいたま市民会館おおみやで組み合わせ抽選会が行われ、参加162校の初戦(1、2回戦)の対戦カードが決まった。
春季県大会優勝で注目の右腕増渕竜を擁するAシード鷲宮と、連覇を狙うCシード春日部共栄が準々決勝でぶつかるゾーンに入った。ともに順当に勝ち上がれば、4強入りを懸け大きなヤマを迎えることになる。
会場一番乗りは6年連続でいずみ。早起きは三文の徳とばかりに、夜明けとともに入り口の最前列に並び、到着順1番のカードを手に入れた。2回戦となる初戦は、三郷工技―八潮の勝者となった。
一方、しんがりの162番は古豪・上尾。「運を天に任せた」(斎藤監督)と、あえて最後に受け付けを済ませた。2回戦で深谷一―市川口の勝者と対戦。残りものに福は訪れるか。
対戦カードが次々と決まる中で、最も会場が沸いたのは鷲宮の相手でも春日部共栄の相手でもなく、和光が浦和学院の対戦相手に決まった瞬間。浦和学院は今回Dシードだが、選手たちの間では一番の注目チームのようだ。
88回大会にちなみ、選手宣誓を務める88番の当たりくじを引いたのは、大宮西の初塩拓也主将。二重の末広がりと縁起のいい番号を引き、「優勝を目指す」と今大会の躍進を誓った。
大会は7月12日、県営大宮球場で開幕。三郷―不動岡で熱戦の火ぶたが切られる。決勝は29日、同球場で正午プレーボール。ことしはどんなドラマが待っているのか。
連覇へ強気と自信
春日部共栄 昨夏の代表校、春日部共栄はCシード。初戦で蕨の挑戦を受ける。勝ち進めば準々決勝で春の再戦となる鷲宮と対戦。主将の山口は「あまり相手を気にしていないし、自分たちの野球を崩すつもりはない。鷲宮と当たったら、うちがつぶす」と強気の姿勢を貫いた。
春は8強止まりだが、総合力ナンバーワンの呼び声が高い。大竹、岡田の両右腕に加えて、主砲佐藤もけがから復帰するなど、選手間の激しい競争が、チーム力の底上げにつながっている。昨夏の甲子園経験者もメンバー入りにうかうかしていられない状況だ。
夏は19年ぶりの連覇が期待される。山口は「自分たちが一番一生懸命練習してきた自信がある。今は連覇のことしか頭にない」と気合を入れていた。
第1シードは「挑戦者」宣言
鷲宮 春の県大会で初優勝した第1シード鷲宮は、熊谷西と初戦を争う。主将の川村は「相手のことはよく分からないが、どこと当たっても負けられない。第1シードというよりも、チャレンジャーとして戦っていく」ときっぱり決意を語った。
エース増渕竜だけに頼らないチームにしようと、ナインは関東大会以降、課題の打撃力向上に必死で取り組んできた。主将の川村は「けが人もいないし、練習試合でも得点能力が上がっている」と手応えを示す。攻撃力アップに力を注いできた成果が徐々に表れつつあるという。
エースも順調だ。増渕竜は「相手よりも自分たちのやることをしっかりやって、必勝のつもりで全力を尽くすだけ」と力強かった。
初のAシード、甲子園へ「本気」
春日部東 春の県大会で過去最高の準優勝に輝いた春日部東が、初のAシードに入った。指導者生活28年目の中野監督は「シードは意識しない」と平常心で臨む。
快進撃の立役者となったエース中野を軸にしたチーム。派手さはないが、粘っこさが攻守にわたって浸透している。主将で捕手の会沢は「強気のリードで思い切りぶつかる」と誓う。
中野監督は1995年夏に越谷西を甲子園に導いた指揮官。2001年には春日部東で埼玉大会準優勝を飾った。ベテラン監督は「甲子園に行くつもりでやる」と本気ぶりを示した。
全員野球の活躍誓う
所沢商 Bシードの所沢商は川越東と2回戦で顔を合わせる。主将の塩賀は「同じ西部地区の学校だし、チームとしても気合が入る。初戦をまず勝ちたい」と表情を引き締めた。
エース松村を含めた4人の投手陣と機動力の高さが武器。特に、捕手河野を除くレギュラーが6秒台前半をマークする走力は脅威だ。塩賀は「全員野球でぶつかりたい」と活躍を誓っていた。
夢の実現は打力が鍵
東農大三 Bシードの東農大三が、春夏通じて初の甲子園出場に挑戦する。春の県大会は4強。主将の志村は「上を見ず一戦一戦やることが大事」と浮かれない。
右腕エース前野を大黒柱に据えた守りのチーム。「まずは守備。取られなければ負けない」と自信を抱く。一方で、打力強化にも取り組んだ。志村は「好投手を公式戦でどれだけ打ち崩せるかが問われる」と夢実現の鍵を挙げた。
2年ぶりV照準 反攻へ準備万端
浦和学院 2年ぶりの甲子園に照準を合わせるのは、Dシード浦和学院。昨秋の県高校大会覇者も、春は16強止まりだった。森監督は「敵は我にあり。準備を怠らずに臨む」と抜かりない。
突出した選手こそいないが、能力は低くない。主将の内田は「監督や仲間に頼ったりする甘さがあった。悔しさはどこよりも強いので、それを形に変えたい」。タフになった「ウラガク」が反攻を開始する。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
屈辱バネに今夏は「全開」
埼玉栄・木村
昨夏の準優勝投手、埼玉栄の木村は主将でエース、4番の3役を一人で担う。それだけに、「自分のことより、チームが勝つことが第一。勝って初戦から勢いに乗りたい」と本庄との2回戦に狙いを定める。
昨夏はあと一歩で甲子園に届かなかった。今春はわずか1試合の登板に終わったが、6月の練習試合で最速146キロをマーク。自慢の高速スライダーに加え、曲がりの大きいスライダーを新たに習得するなど、確かな成長を遂げている。
昨夏の屈辱をバネにしてきた。「夏は全開でいく」と完全復活を宣言した。
胸張って宣誓を
大宮西・初塩主将
 |
| 選手宣誓の大役を引き当て、笑顔でガッツポーズする大宮西の初塩拓也主将 |
抽選の終わり近くになって、選手宣誓を行う主将が決まった。「88番、大宮西」のアナウンスに場内がどっと沸き、大きな拍手。初塩は「当たりそうな気がしていた」と苦笑いした。
大役を任されるのは、小中高校を通じて初めて。「誰もができることじゃない。自信を持ち、胸を張ってやりたい」と強運をかみしめる。「内容はみんなで一緒に考えたい」。仲間と知恵を絞るつもりだ。
守備でリズムをつくり、足を絡めて攻撃するのが大宮西の持ち味。1番、中堅手の初塩は攻守の要だ。1回戦を争う栄東は、春季県高校大会の南部地区予選1回戦に3―8で敗れた相手。初塩は「春は力を出し切れなかったので、リベンジする」と気合を入れた。
|