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11奪三振で七回無失点。 「絶対に負けられない」。 全身に闘志がみなぎった。躍動感あふれるフォームから得意のスライダーを外角いっぱいに投げ込むと、打者のバットが次々と空を切った。 一回には二死一、二塁から自ら中前に先制タイムリーを放つ。「この1点を守り切る」と気迫が投球に乗り移る。味方打線の援護で点差が開いても気持ちは最後まで切れなかった。 七回に二死満塁のピンチを招いた。「0―0の気持ちで投げていた。スライダーがワンバウンドしても、必ず止めてくれる」と三塁に走者を置いても、捕手の山本を信じて腕を振り切った。山本は「あいつが一番この3連戦に懸ける気持ちが強い。木村が投げやすいようにリズムよく、テンポよく投げさせた」と絶大な信頼を寄せる。 エースにはこの試合で負けられない理由があった。準々決勝への特別な思い。「相手は2年生で鷲宮のエース番号を着けている増渕竜。自分も2年生で背番号1を託されている。絶対負けたくなかった」。今夏から着けているエースナンバーへのプライドが自分を奮い立たせた。 試合終了後、増渕竜と一言だけ約束を交わした。 「浦学を倒してくれ」と励まされると、「任せておけ」と力強く応えた。 ここまで4試合に登板。23回を投げて1失点。今大会を代表する投手との投げ合いに勝ち、新たな思いをその右肩に背負った。 身長180センチ、体重75キロ。東京大田馬込中出身。 「流れ変えたかった…」
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| 埼玉栄−鷲宮 1回表鷲宮1死一、二塁、樋口の二ゴロで一塁走者安田が併殺に倒れる。(左から)一塁手谷口、遊撃手平川=市営大宮 |
鷲宮は六回まで1安打しか打てず、攻撃の糸口を見いだせなかった。特に二回から六回は3人で抑えられ、走者を出すこともできない展開に、高野監督は「すべてにおいて力の差が出た。先取点を取れば何とかなると思ったんだが」。埼玉栄の木村の立ち上がりを攻め切れなかったことが、最後まで重くのしかかる結果となってしまった。
増渕竜も相手のペースにはまっていった。「最初から飛ばすつもりだったのに直球を狙われた。点を取られても、次の点を与えてはいけなかった」。一回、三つの四死球と3安打で3点を失うと、三回までに6失点。相手の勢いは増していった。
初戦以外は1人でマウンドを守ってきたが、山口捕手は「連投が続いていたが、相手打線もしっかり打ち返してきた」と振り返る。増渕竜も「自分の力がなくて打たれた。それだけです」と、自身のふがいなさを責めた。
四回から、高野監督は「気持ちで投げるタイプ」と信頼する主将の樋口をマウンドへ。期待に応え、四、五回を無失点に抑えるが、味方打線は沈黙のまま。「何とか流れを変えたかったのに」と樋口の言葉が悔しさを物語っていた。
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