WEB埼玉

2005年7月28日(木)
 

花咲徳栄 猛攻13安打15点
花咲徳栄15-4本庄東

 

打てない球なし
横手対策が奏功

 ○花咲徳栄 「横手投げ対策を重ねていたから、打てない球はなかった」。二塁打3本を含む4安打を放った今西は、自信あふれる笑顔を見せた。チームは一回、右横手投げの本庄東・畠山を攻略し、早々と6点を奪った。

 一回一死二塁で打席に立つと「アウトコースの直球を待っていた」と狙いすましたスイングで、左越えの先制二塁打を放った。その後も好機に打席に立ち、4打点の活躍ぶり。

 チームは13安打と、5回戦に続いて2ケタ安打。好調打線は準決勝でBシード春日部共栄に挑む。「苦しい試合ほど細工と足を大切にしたい。それが花咲徳栄の野球」。今西とチームに油断はない。

逆転を信じて有終の本塁打

 ●本庄東 一回に左越え3ランを放った小林勇。ただその後は2三振に終わり、「笑って終わろうと頑張ったが、最後は涙が出ちゃいました」と残念がった。

 エース畠山が一回に6失点したが、「絶対にひっくり返せる」と焦りはなかった。その裏の一死一、二塁から真ん中に入った直球をフルスイング。「スタンドの歓声でホームランだと知りました。気持ちで負けないように打席に入ったのが良かった」と振り返った。

 新チーム結成時から不動の4番。不振でも起用し続けた田中監督に報いるため、毎日素振り1000本を欠かさなかった。「力はなくても8強入りし、やればできることを証明した。最高の夏だった」とさわやかに球場を後にした。

本庄東−花咲徳栄 5回表花咲徳栄1死三塁、今西が右前に適時打を放つ=県営大宮

打線の不安スッキリ
仕上げ完ぺき順延効果

 花咲徳栄にとって、26日の順延は恵みの雨だった。

 「昨日1日試合が空いたのは大きかった」と岩井監督。本庄東の右横手エース畠山対策が十分になされたからだ。「畠山君は外角に直球とシンカーを出し入れする投球なので、とにかく引っ掛けないことを注意した」

 岩井監督は、火が付くまでに時間がかかる打線に不安を持っていた。畠山は軟投派だけに、その緩急つけた投球にはまるとズルズルいきかねない。チームは24日の5回戦に正智深谷に勝った後、学校に戻って打撃練習。25日も打ち込んだが、もう1日練習できたことで完ぺきに仕上がった。

 その効果は抜群だった。「コースに投げ分けてくるので逆らわずに打てた」とこの日4打点の大堂。一回から打線に火が付き、三回までに12点を奪って試合を決めてしまった。

 甲子園に初出場した第83回大会以来、4年ぶりの4強。相手が春日部共栄なのも4年前と同じだ。岩井監督の下に5回戦で滑川総合に大逆転勝ちし、九死に一生を得た春日部共栄の本多監督から連絡があったそうだ。「うちは1度死んだから強いぞ」

 それなら昨秋、今春の県大会でともに初戦敗退を喫した花咲徳栄は2度死んでいる。ライバル相手に挫折からはい上がった強さをぶつける時が来た。

努力が生んだ快進撃に幕

 本庄東の快進撃が止まった。1試合で3点以上失ったことのないエース畠山が一回、いきなり崩れた。制球が定まらず、甘い球を次々と痛打され、まさかの6失点。「強風の影響で集中できなかった」と畠山。準々決勝まで5試合すべてを1人で完投した疲れもあった。

 その裏、小林勇の3ランでいったんは3点差に迫る。5試合中4試合が逆転勝ちの本庄東。一気に競り合いに持ちこむかと思われたが、二回にさらに4失点。これで勝負が決まってしまった。田中監督は「花咲徳栄は個々の能力が高い。勢いだけでは勝てない」と振り返る。

 敗れたとはいえ、創部40年目で初のベスト8進出は立派。主将の江口が胸を張る。「素質の高い選手はいないが、全員野球でここまでこれた。最後は力が及ばなかったが、努力をすれば勝ち進めることを学んだ」

 3試合で決勝打を記録、この日も四回に1点を返す二塁打と活躍した捕手の小野はまだ2年生。「もっと練習して、来年はベスト4以上を狙います」。ベスト8は実績として後輩たちに確かに引き継がれた。

 9日の開幕試合を3―2で制し27日の準々決勝まで6試合。「充実した夏を経験できた。選手に感謝したい」と田中監督。数々のドラマを残し、本庄東の長い夏が終わった。

 
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