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| 春日部−東和大昌平 8回表東和大昌平1死満塁、猪山が4点目のタイムリーを放つ=市営大宮 |
東和大昌平が好右腕の菊池から7点を奪い、Dシード春日部に快勝。記念大会として行われた第80回東埼玉大会以来、7年ぶりに8強入りした。「相手のミスに付け込み、理想的な試合ができた」と黒坂監督。そつのない強さは、ノーシード校とは思えない。
三回、猪山が四球を選ぶと生沼が犠打で送り、二死一、三塁から犬飼、折原の連続適時打で2―1と逆転した。折原は「大きいのは狙わず、コンパクトに振った」と言う。四回は一死一、二塁から生沼が再び送りバントを決め、菊池のボークで1点加えた。
1点リードの八回が真骨頂。折原が敵失で出塁すると、新沼が送りバント。一死満塁から猪山の中前適時打などで3点を奪った。猪山は「高めの直球を捨て、甘い球を待った。手を出したくなったが、我慢して徹底できた」と胸を張る。
8個の犠打を成功させ、10安打はすべて単打。OBで4月に就任した黒坂監督は、「バント練習が納得いかなければ、打撃練習をさせなかった」と笑う。新沼は「戸惑うこともあったけれど、打つだけの野球に限界を感じていた」と、素直に受け入れたという。
主将の三島は「1点を確実に取る形は、今までの僕らになかったもの。自信が付きます」。この夏の東和大昌平は強豪校を苦しめそうだ。
気迫で完投 「楽しかった」
○東和大昌平 エース渡辺啓が2試合連続の完投。2失点にとどめ、「初めての中1日で疲れもあったが、楽しかった」と安堵(あんど)の笑み。
4回戦より制球はやや甘かったが、「必ず味方が点を取ってくれると信じて投げた」と渡辺啓。圧巻は七回。連続四球を与えて二死一、二塁。四回に本塁打を浴びた天野を迎えた。長打を許すと勝ち越されるピンチだったが、外角の直球で三振に仕留めた。「気持ちで押していった」と胸を張る。
春日部とは2年前の5回戦でも対戦。渡辺啓も1年生ながら左翼手で出場し、惜敗していた。2年越しの雪辱を果たし、「この勢いで勝ち進むだけ」と気合をみなぎらせた。
初の一発も好機に三振
●春日部 2点を追う四回、主将の天野が左翼席に大きな放物線を描くソロ。追撃の一打に「打ったのは高めの直球。菊池が頑張ってたのでとにかく塁に出ようと思った。うまく上からかぶせて打てた」。グラウンド事情から、ティーバッティング練習ばかり。大空を飛ぶ軌道に「久しぶりに打球の行方を見た」と一瞬、笑顔を見せた。
公式戦初本塁打を喜んではいられなかった。1点を追う七回二死一、二塁の好機に空振り三振。「最後は直球。気迫で負けた」という打席は、相手エース渡辺啓との熱のこもった対戦だった。直後の八回には3点を奪われ「チャンスの後にピンチあり。大事な場面で打てなかった自分の責任」と悔やむばかりだった。
伝統の堅守乱れ動揺
春日部がミスから失点した。四回二死二、三塁から菊池のボークで1点を献上。3点を奪われた八回には折原の遊ゴロを守りの要、小山が一塁に悪送球し、失点の足掛かりを与えた。伝統の堅守が看板のチームにとって、失った得点以上に精神的に痛んだ。
胸の校名が泥で読めなくなった小山は「きょうは守備のミスで負けた」と悔しすぎる分析をしてみせた。坂下監督も「守りには自信があったが、大事な局面で失策が多すぎた」と疲労感をにじませた。
菊池は五、六、七回を除き、先頭打者を許した。納得できない球筋に、マウンド上で幾度も小首をかしげた。「調子は悪くなかったが、向こうの振りが鋭かった」と菊池。
「4回戦は打撃陣に助けてもらい、次こそ自分がやってやると考えていたが…」(菊池)。中盤立ち直っただけに、失策や2四死球が集中した悪夢の八回を悔やんだ。
東和大昌平とは一昨年夏、同じく8強を懸けてぶつかった。当時、初戦から5試合を通じて無失策でつかんだ金星だった。7月24日は一昨年と同じ日となる。
坂下監督は誓う。「新チームではうちがリベンジする」。主将の天野は信じる。「打倒私学。リベンジ昌平」。古豪の名に懸けた春日部の逆襲が7月24日の盛夏、スタートした。
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