WEB埼玉

2005年7月23日(土)
 

笑顔忘れず快進撃
本庄東―富士見
高校野球埼玉大会

 

本庄東 4―3 富士見

 戦評…本庄東は3―3で迎えた延長十回、小野の内野安打で決勝点を奪った。エース畠山も六回以降を無失点に抑える力投。富士見は4併殺で好機を生かせず。

富士見―本庄東 延長戦を制し喜びを爆発させる本庄東の選手たち=上尾市民

 本庄東の快進撃が止まらない。延長十回、4―3で富士見を下し、ノーシードから過去最高に並ぶ16強入りだ。今大会は1点差勝ちと2点差勝利が2試合ずつ。田中監督は「選手の踏ん張りに尽きますね」と満面の笑み。ハラハラ、ドキドキの活劇を演じている。

 リードされても、しびれる場面でも、われを失うことはない。主将の江口は「勝敗を気にせず、楽しむことがモットー」と、帽子のつばに太書きされた「笑顔」の文字を見せた。心の余裕が粘りを生む。

 逆転された直後の六回、一死から小林唯が内野安打で出塁。江口の犠打で二死二塁にすると、2年生の小野の右前適時打で追いついた。延長十回は二死一、三塁から再び小野が幸運な三塁内野安打を放ち、虎の子の決勝点が入った。

 ヒーローの小野は「十回は楽しいなあ、と思いながら打席を迎えた。競った内容の方が燃える」と頼もしい。江口が付け加えた。「打席の本塁寄りに立つことを徹底し、投手に重圧を与えた。笑顔を忘れないから冷静になれる」

 初の8強を懸けた大一番は、同じノーシード北本との顔合わせ。田中監督は「強いチームが勝つんじゃなくて、勝つチームが強い。言い聞かせたことが本当になってきた」と喜ぶ。成功物語はまだまだ続く。

3戦完投の疲れ、同点で吹っ飛ぶ

 ○本庄東 延長十回、完投したエース畠山は両手を上げて捕手の小野に飛びついた。これまで3戦もすべて九回完投。この日も一人で最後まで投げ抜いた。「対戦した投手たちと約束した。まだ負けられないんです」と、額の汗をぬぐった。

 腰の状態は良くなかった。連投の疲れがたまり、思い通りの投球ができなかった。しかし、同点に追いついた六回から内容が一変。「緊張感で痛みが吹っ飛んだ」とストレート主体の強気の投球で、三塁を踏ませなかった。「疲れや痛みは関係ない。次も先発して完全燃焼したい」と誓った。

終盤硬さ目立ち勝ち越し機逃す

 ●富士見 試合終了のあいさつもそこそこに主将の小西がベンチ裏に駆け込んだ。「ウォー」。雄たけびとともに、こらえてきた涙が一気にあふれ出した。延長十回の惜敗。頭を抱え、壁にもたれ、肩を抱き合い、選手全員が泣き崩れた。

 「しびれてくると守れないチーム」という山崎監督の評価通り、同点のまま終盤を迎え、選手たちに硬さが目立った。八回の攻撃。先頭の菊岡がヒットで出塁したが、続く西沢との呼吸が合わず、送りバントは失敗。好機を逃した。

 決勝点を許した十回の守備。二死一、三塁から本庄東・小野の三ゴロがイレギュラーバウンドし、三塁走者が生還した。記録は内野安打だったが、三塁手の持田は「体が前に出なかった。あれは自分のエラー」と責任を感じていた。

 「守備でも攻撃でも攻めるチームをつくってもらいたい。自分たちのように悔いを残さないでほしい」。スパイクも脱がず、手袋もはめたまま泣き続けた持田は真っ赤な顔で後輩にエールを送った。

 
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