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北本 2―1 所沢北
戦評…北本は1点を追う八回二死一、二塁から多田が逆転の右越え2点三塁打を放った。所沢北は3安打と打線に元気がなく、好投の増田和を援護できず。
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| 所沢北―北本 8回裏北本2死一、二塁、多田が逆転の決勝タイムリー三塁打を放つ=県営大宮 |
4番で主将の多田は静かに燃えていた。1点を追う八回二死二塁、所沢北バッテリーは3番山本を敬遠し、多田との勝負を選んだ。グリップに力が入る。
越谷北との3回戦では同じような場面で凡退。「高校最後の打席になるかもしれない。思い切り振ってやろう」。増田和の得意球、スライダーを逆らわず右方向へ狙い打った。
「抜けてくれの一心だった」。打球は右翼手の頭上を越える逆転の2点三塁打。塁上で「興奮して足が震えていました」と主砲。土壇場で見せた意地の一打だった。
粘りの北本。代々受け継がれているチームカラーがそのまま出た試合だった。
3回戦で聖望学園から20安打14得点した所沢北打線を相手に、先発の仏坂が七回に1失点したものの、変化球を駆使して好投。一回を除き毎回得点圏に走者を背負ったが、「強打の所沢北は最初は怖かったけど、仲間を信じて投げた」としぶとくしのいだ。
同校OBで4月に就任した市村監督は「僕がバタバタしてしまいました」と照れ笑い。ピンチにも、1点を先制されても焦らなかったナインを頼もしく見つめ、「1戦1戦たくましくなっています」と胸を張る。
シードを破って8年ぶりの16強。逆転勝利に仲間が肩をたたくと「まじ、泣きそうになったよ」。
「あとは任せる」
気迫の3連続K
○北本 九回、マウンド上でリリーフの山本がほえた。気迫に押されたのか、所沢北の土方は振ることもできずに見逃しの三振。3者連続三振でビシッと最後を締めた。「信頼していた多田が打ってくれたので、自分も全力投球で応えた」と山本。
先発仏坂が強打の所沢北打線相手に1失点の好投。八回からマウンドを受け継ぎ、2回をパーフェクトに抑えた。山本は「最少失点だったので、あとは任せろとの気持ち。守備からリズムを作って攻撃につなげたかった。必ず味方が点を取ってくれると信じていた」。その言葉通り、八回に逆転打が飛び出した。
「競り合いに強いのが北本の伝統。次の試合も仏坂が粘るところまで粘り、自分が自信を持って抑えたい」。すっかり勝ちパターンを身に付けたようだ。
スライダーで勝負
打たれて悔いなし
●所沢北 力投の所沢北のエース増田和が八回の一振りに泣いた。スライダーとカーブを軸に、七回までら無失点の好投。「増田を楽にさせてやりたかった」という中山の先制二塁打で七回に均衡を破り、勢いづいて迎えた八回だった。
あっさり二死とした後、「すぐ終わらせよう」と力んだことから悪夢が始まった。肩に力が入ってすっぽ抜けた直球が死球。盗塁を許して一塁が空いたため、3番山本を歩かせ、相性の良かった4番多田との勝負を選んだ。
初球はボール。変化球を狙われているのは分かっていたが、ストライクを稼ごうと投げた2球目、得意のスライダーが高めに入った。「やられると思った」直後、痛恨の右越え逆転三塁打。打球を見送りながら肩を落とした。
しかし、ナインはエースをねぎらう。中野監督は「走者を背負いながら要所を押さえていた。いい投球だった」。バッテリーを組んだ主将の滝沢も「持ち味を出していた。去年の夏から一人で投げ続けてよく頑張ってくれた」と感謝しきりだった。
そんな右腕も気落ちはしていない。「みんなよく守ってくれた」と無失策のナインをたたえた後、「自信のスライダーで勝負できて、悔いはない」。毅然(きぜん)と球場を後にした。
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