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戦評…浦和実は2点を追う六回、遠藤の適時二塁打で逆転すると、八回に打者一巡で4点を奪った。朝霞は九回に2点差まで詰め寄ったが反撃もそこまで。
打線も援護 8回集中打
○浦和実 2年生同士の投げ合い。朝霞の先発立石は六回途中で降板したのに対し、浦和実は背番号17の佐藤琢が粘投を継続していた。
辻川監督は「終盤の苦しい場面で交代させたら、普通の投手になってしまう」。佐藤琢へ寄せる大きな信頼と期待が、結果として朝霞の猛追を振り切った。
圧巻は六回のピンチ。無死一、二塁で犠打を狙った石橋の打球が自分の前に転がった。捕るや迷いなく三塁に送球、走者をアウトに仕留めた。「自分の前へ球がきたら三塁へ投げる」。そう決めていた佐藤琢からガッツポーズが飛び出した。「あのバント処理で楽になれた」とこの回無失点。七回も一死一、三塁の危機を切り抜け、八回の味方の集中打につなげた。
八回無死満塁と苦しい場面でも2失点にとどめた。佐藤琢は「気が抜けない戦いだったが、負けられなかった」と力を込めた。
1番を背負う3年生の小柳から「俺が控えているから思い切って投げてこい」と言われた。九回途中から継投した2年生の菅沢は「(佐藤)琢磨が投げてきたから、絶対に試合を壊せなかった」と言い切る。
九回の降板に「魂を入れた球を投げていなかった」と同監督が厳しく言うのも、信頼と期待があってこそ。伸び盛りの2年生。まだまだ改善の余地はある。
「胸張って帰りたい」
●朝霞 3点を追う九回、1点を返し、なおも二死一、三塁。だが8番志村が空振り三振に終わり、2年連続の5回戦進出は夢と消えた。
踏ん張らなければいけない投手陣が、先に崩れたのが痛かった。実は2回戦で4安打完封したエース小松が、故障明けで無理ができない苦しい台所事情。八回途中まで立石―佐藤とつないだが、計8失点した。2番手の佐藤は「カウントを取りにいった球で逆転を許した。流れを変えるのが僕の役目だったのに」と肩を落とした。
打線も逆転された六回以降、毎回走者を出しながら、要所であと一打が出なかった。「必ず点を取れると信じ、みんな積極的に振った。出来る限りのことはやったが…」と主将の小林。
ただ5点差を付けられた終盤、あきらめずに3点を返す粘りを見せた。3回戦では3年連続で延長十五回を戦い抜き、「粘りの朝霞」は確かな伝統になりつつある。「決して力があるチームではなかったが、3年生を中心に頑張ったと思う。悔しいけど、胸を張って帰りたい」と総括する宮川監督の表情は、充実感であふれていた。
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