WEB埼玉

2005年7月17日(日)
 

「次は先輩の分まで」
大宮西2年・兎沢選手
高校野球埼玉大会

 

 夏の高校野球埼玉大会五日目の十六日、2回戦が行われた、さいたま市営浦和球場では第1試合で同市立大宮西高と県立北本高が対戦。

 大宮西スタンドの二百人を超す応援団の中で、背番号10を付けた二年生の兎沢剛選手(16)の両親兎沢博行さん(40)と多果子さん(41)も熱い声援を送っていた。

悔しそうな表情で球場を後にする兎沢剛選手=さいたま市の同市営浦和球場

 左足首を包帯で覆った剛さんがベンチから大きな声でチームメートを励ます。今春はエースナンバーも付けていた剛さんは開会式が行われた九日、式終了後の練習で左足首を骨折。

 病院にも付き添った母親の多果子さんは「(骨折という診断に)真っ白になった。言葉にならなかった」という。父親の博行さんは「ショックだった。チームの皆に迷惑を掛ける。申し訳ないという思いだった」。

 中学校を卒業するまで野球をやっていたという博行さんは、小学校入学前の小さな剛さんとキャッチボールをするのが日課でもあった。剛さんはリトル、シニアリーグと野球の毎日。

 野球を続けてきた剛さんにとって、骨折は初めての経験という。多果子さんは「(剛は)責任感の強い子。精いっぱい頑張っていただけにショックが大きかっただろう」と気遣う。

 試合は大宮西が3点を先制したが、投手陣の乱れもあり6対11で敗れた。試合後、剛さんは泣き崩れた。松葉づえを持つ手も震えていた。言葉を詰まらせながらも「三年生に申し訳ない」とひと言。心配そうに見ていた博行さんは「きょうの三年生の分までこれから頑張ってくれるはずだ」と話した。

 
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