WEB埼玉

2005年7月14日(木)
 

直球高めをドンピシャ
チームの眠り覚ました一打・熊谷工
高校野球埼玉大会

 

熊谷工 8−1 久喜工

 戦評…熊谷工は一回、佐藤の中前打で先制。三回には二死満塁から市川が走者一掃の二塁打を放ち、優位に立った。久喜工は4安打と打線が振るわなかった。

 ○熊谷工

熊谷工―久喜工 3回表2死満塁、市川が走者一掃二塁打を放ち二塁塁上でガッツポーズ=熊谷公園

 1点リードで迎えた三回二死満塁。「思い切りたたいた」という主将の市川が放った打球は、左中間を深々と破り、試合の流れを引き込む走者一掃のタイムリー二塁打となった。塁上で飛び跳ねて、喜びを表現。何度も何度も右手を空に突き上げて、スタンドの声援に応えた。

 「高めに絞っていけ」。打席前、高田監督から指示を受けた。初回の得点機は当てにいって空振り三振。悪いイメージを振り切り「絶対に打ってやる」と打席に臨んだ。来たのは読み通りの高めのストレート。はじき返した球は、あと一歩でスタンドに入るところまで飛んでいった。

 予感はあった。春の地区大会でも、満塁から走者一掃の三塁打を記録。味方の連打で回ってきた満塁の好機も、「なぜか打てる気がした。イメージが頭の中で浮かんでいたんです」と、“満塁男”は緊張するどころか楽しんでさえいた。

 主将の活躍に、チームも一気に活性化。投げてはエース渡辺が直球とスライダーを織り交ぜて9奪三振の好投。捕手の高林も、相手が試みた盗塁を3度も刺し、失点の芽を摘んで流れを引き寄せた。

 「今日は気持ちが入っていて本当にいいチームになっていた。チームが一つになり、一人一人が実力以上の力を出してくれた」と高田監督。市川の一打が眠っていたチームの実力を引き出した。

 ●久喜工

 主将の菅野の言う「大会になると勝てない」という癖は今度も克服できなかった。チームはまとまりを欠き、バッテリーの呼吸もちぐはぐ。何とか立て直そうと、菅野は何度もナインに声を掛けたが「みんなに届いていなかった」。

 頼みの中軸打線も唯一の打点を挙げた赤沼以外は沈黙。菅野は「練習も大会のつもりでやり、緊張しないよう努力してほしい」と後輩にアドバイスを残した。

 
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