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全国高校野球選手権埼玉大会が開かれている県営大宮球場で十日、日系ペルー人の父と子が二年半ぶりに再会した。立派な高校球児となった息子を父親は涙ながらに抱き締め、しばらく交わす言葉もなかった。
同球場の第二試合、本庄第一高と市立川越高戦。日系ペルー人の知念義明さん(55)の三男、誠選手(18)が本庄一高の主将として出場した。義明さんは七日に来日したが「余計なプレッシャーを与えたくない」と、息子に内証で観戦していた。
試合後、誠選手は義明さんと驚きの対面。試合も制し、スペイン語で「ご苦労さん、よく頑張ったね」と父親の懐かしい声を聞くと「来ているなんて知らなかったよ」と抱き締め返した。
日本の青年海外協力隊がペルーで野球の普及活動を始めたのは一九八四年。だが、九一年に国際協力機構(JICA)の職員らがテロの犠牲となり、隊員も撤退。
その後、民間レベルで立ち上げた「ペルーの野球を支援する会」により、日本人指導者が野球を伝え続けてきた。ペルーで誠選手のプレーが指導者の目に留まり、本庄一高の留学生として甲子園を夢に野球を始めた。
試合中、大きな声でチームを鼓舞し続けたわが子に義明さんは「日系人の息子がキャプテンに選ばれるなんて素晴らしい」と誇らしげ。「大人への成長をしみじみ感じた」と、ユニホーム姿に目も細めた。
義明さんは来月三日まで日本に滞在する。誠選手は「一試合でも多く、自分の姿を見てほしい」と最愛の父に呼び掛けた。
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