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| 5回コールド負けでも、笑顔がはじけた幸手高校チーム=10日、岩槻川通球場 |
夏の全国高校野球選手権埼玉大会が九日開幕。十日のさいたま市岩槻川通球場では、大負けしても笑顔が光る選手たちがいた。
幸手高校と上尾沼南高校チーム。ともに部員が九人に届かない定員割れに苦しみ、廃部の危機と闘いながらチーム運営してきた。
点数では負けたが気持ちでは負けていなかった。第一試合、大宮北高に11―0で5回コールド負けした幸手高。試合後、チームはみんな笑顔だった。
◇よくやった
「今の三年生が一年生だった二年前の夏、三年生が引退して残ったのは一年生二人だけ。その後一年生が二人入ったが悲惨な状況だった」と情報担当教諭の飯野一仁監督(41)。
その年二〇〇三年秋は五、六人で練習。幸手商業高と「幸手合同チーム」として練習試合をした。部員はいつも流動的。この春一年生が七人入り部員は十七人に。
「もうだめか」と何度もあきらめかけた飯野監督だが「この大会で三年生が引退しても十三人。これでやっていける」。
二年前、たった二人だったうちの一人、この日投手を務めた三年生、関秀人君は試合終了後、「三年間続けてきた。今日は負けたけど悔いはありません。最後まで楽しかった」。
飯野監督は「よくやった。みんなにはご苦労さんと言います」。隠れるようにこみ上げる涙をぬぐった。「ぼくはこの学校の生徒たちが大好きです」
◇夢のよう
一方、上尾沼南は羽生実業を相手に、9―2で八回コールド負け。数学担当教諭の江森知行監督(29)は「大満足です。いい試合ができた」。
英語担当の下田桂子部長は「まるで夢のよう」。選手たちも笑顔だった。「即席のチームができあがったのが一カ月前。他校の一年生と練習試合では数十点単位の負けばかり。それが、十点以内の負けで八回までがんばったんですから」。
昨年夏は部員が四人で不出場。今年の春、部員は三年生三人だけ。一年生が三人入ったが、それでも六人。引退したばかりのハンドボール部の三年生やテニス部員らが助っ人の主力。下田さんは担任クラスのリトルリーグ経験者を説得した。
「昨年の夏休みは一人で練習用のネットにボールを投げてました」と言う主将島村翔太君。「一人でも続ける気持ちでやってきた。今日の試合はすごく面白かった」。真っ黒に日焼けした笑顔に汗が光っていた。
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