この夏注目の8人

8. 慢心捨て一戦必勝誓う
東農大三 串木野翔平

     

制球力を武器にする串木野翔平

 手足の長い、細身の選手という印象は入学時から変わらない。だが心身ともに一回り成長した東農大三のエースは、「自分たちの野球をするだけ」と最後の夏に一戦必勝を誓う。

 板橋シニア時代に世界大会に出場した実績を引っさげて、1年生の夏からベンチ入り。半面、過信もあった。本来は変化球を織り交ぜる投球なのに、練習試合では直球一本やりで敗戦を招いたり…。

 「正直、野球をなめていた」と打ち明ける。慢心がプレーに影響。直球のスピードは伸びず、次第に変化球の切れもなくなった。

 見抜いたのは、金城孝夫監督だった。選手指導の厳しさに定評のある同監督は、初めて串木野を見た印象を「素直さがなく、中学時代の実績だけで野球をしていた」と振り返る。

 実際に串木野は結果を残せず、昨夏は背番号1をもらえなかった。そしてチームは初戦の2回戦で敗退した。

 「春も外され、何もできない自分が悔しかった。一からやる覚悟だった」。屈辱が野球と正面から向き合うきっかけとなった。

 夏場の練習試合で7イニングを超えると制球に不安を感じたことから、昨秋以降、徹底的に走り込んだ。多い日は1時間半以上。球速、スライダーのキレがともに向上し、春季県大会での2試合連続完封につながった。

 百戦錬磨の金城監督は、「力量は上がったが、まだ甘い部分がある」と手厳しい。だが、本人にかつての慢心はどこにもない。「監督に一からたたきのめされてよかった。今までやってきたことをすべて出す」ときっぱり。自らの右腕で初の甲子園出場をもぎ取るつもりだ。

=おわり=


Dシード 松山
投打が調和し粘り強さ

 2年ぶりのシードに復帰した。ずばぬけた選手はいないが、投打にバランスが取れており、粘り強い。

 破壊力こそないものの、打線は切れ目がない。谷田、国田の1、2番コンビは機動力を活用して好機をつくり、長打力のある町田、パワーヒッターの蓮見、勝負強い山口の中軸で得点を挙げる。下位にも好打者の竹和らが控えている。

 投手は本格派の竹和、黒須の二枚看板。竹和は威力十分の直球が武器で、黒須は181センチの長身から角度ある球を投げる。内外野は強肩捕手の蓮見をはじめ、センターラインが堅実だ。


Dシード 東農大三
1、2番の出来が焦点

 ここ数年、コンスタントに結果を残す実力校。昨秋から1999年の選抜大会で沖縄尚学を優勝に導いた金城監督が指揮を執る。

 右腕串木野の出来がチームの命運を握る。制球がよく直球、スライダーを低めに集める。積極的な走り込みでスタミナも問題ない。半面、攻撃は昨年に比べてやや非力。足もある1番渡辺、2番根岸の2人でいかに好機をつくれるかが得点力アップのポイントになる。

 埼玉で初めて夏の大会を迎える金城監督は「どこと戦っても、しっかり守るだけ」と虎視眈々(こしたんたん)と上位を見据えた。


(2005年7月7日掲載)

ニュースの詳細は埼玉新聞でどうぞ。
購読申し込みは0120-633-888またはこちら。
saitama-np.co.jpの記事・写真の無断転載を禁じます。
日本の著作権法並びに 国際条約により保護されています。
Copyright 2005 The Saitama Shimbun