この夏注目の8人

4. 最後の夏に豪打開眼
埼玉栄 三戸貴正

     

左右とも握力65の強リストで本塁打を狙う三戸貴正

 最後の夏を迎えてようやく、長距離砲としての豊かな才能が開花し始めた。

 高校通算本塁打は10本前後と平凡。むしろチャンスに強いクラッチヒッター。柔らかくて強いリストを器用に使いこなす好打者だった。「クリーンアップは走者をかえすのが仕事。ランナーに出ようという意識の中で、本塁打も出る」。そんな気持ちで打席に立っていた。

 だが、5月の練習試合で転機が訪れた。昨年の全国高校選手権で8強入りし、今春の選抜大会にも出場した修徳(東京)と対戦し、好投手の斉藤から2本、磯部から1本と1試合で3本塁打を放った。

 「いい感覚で打てた。以前は自分が当てにいってしまう感じがあったが、この時は体に入ってきたボールを振り切ったら、飛んでいた」

 豪打開眼。3本はいずれも右方向に引っ張った会心の本塁打。「下半身をしっかり使って打つことを意識できたのが大きい。今までは振り切る前に一塁へ体が動いていたが、思い切り振っていく豪快なバッティングができた。自分の思った通りの打撃ができるようになってきた」と確かな手応えをつかんだ。

 戸栗和秀監督は「打撃とは本来きついもの。前は楽してヒットを打とうとしていた。もっと長打が出てないとおかしかったが、あの試合でやっと片りんが出てきた」と評価する。

 1年生の夏からレギュラーを務めるチームの柱。主砲の豪快な一発が出ればチームは活気づく。初戦は13日。スラッガーとして、これから真価を発揮すべき試合が待っている。


Cシード 埼玉栄
県内屈指の柱がそろう

 秋は関東高校大会8強、春は県大会ベスト8だったが、雪辱を期す主砲三戸、、エース木村と県内屈指の投打の柱がそろった。

 打線は上位から下位までつなぐ意識が高い。俊足の1番高橋と2番吉川でチャンスをつくり、ポイントゲッターの3番神野、一発の期待がかかる三戸、強打の木村でかえすのが得点パターン。1年生の平川は勝負強く、6番を任されそうだ。

 2年生木村は180センチから投げる140キロ超の直球が武器でスライダーにも切れがある。2番手も右横手の吉川、左の三戸とタイプの違う好投手が控える。


Cシード 所沢北
エース軸に投手陣充実

 昨夏は初のベスト8。春季県大会でも準々決勝に進出し、中野監督が就任して4年目を迎えたチームは着々と力をつけている。

 エース増田和を中心に投手陣が充実している。本格派の増田和は力強い直球を主体に、切れのあるスライダーで仕留める。春は大黒柱に頼りがちだったが、左腕の小泉と右横手の片桐にも使えるめどが立った。外野はやや不安があるものの、内野の守備は堅い。

 打線は迫力こそないが、つながりがいい。俊足好打の1番宮成や3番中山らが核。前後の打者は小技を交えて好機を広げる。


(2005年7月3日掲載)

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