この夏注目の8人

3. 努力実り140キロ、勝負の夏へ
春日部東 西村直也

     

最速140キロの直球が武器の西村直也

 182センチを超える長身から、角度のあるボールを内外角に投げ分ける。現在の最速140キロは、これまでの努力の結果だ。「夢だった140キロ台に到達したのは、自分の苦労の証し。バックと自分を信用して、ずっと一人で投げる気持ちで頑張りたい」と最後の夏に懸ける思いは強い。

 140キロに到達するまでの道のりは、決して平たんではなかった。昨年9月。新チームを結成して臨んだ竜ケ崎一(茨城)、春日部工との練習試合では、2試合で30失点。球速は最速125キロ。夏場に投げ込みを繰り返し、冬場は走り込みを徹底して臨んだが、まだフォームは固まっていなかった。

 「サイドに投げ分けるのがうまくいかなくて、変化球も少なく、打ちやすいところにボールが行った。まだ秋だったので、練習をして速さと制球に自信を付けようと思った」

 この2試合がバネになった。シーズンオフになると、1カ月で約200キロのランニングを4カ月間続け、投げ込みはせずに1週間に1度、フォームをチェックした。単調で苦しい練習だったが「最後の打者を三振に取って、甲子園に出ることばかりを頭に描けたから頑張れた」と自らを励まし続けた。そんな地道な努力が球速140キロの土台となった。

 春は県大会2回戦の市川口戦で左腰に全治約3週間の肉離れを起こし、納得のいく投球ができなかった。だが、ようやく140キロの直球で戦いに挑める。

 野球をやる上での目標は二つ。エースとして140キロを超えることと甲子園に行くことだった。一つはかなえた。あとは悲願を自らの手でつかみ取るだけだ。


Cシード 春日部東
秋、春8強 夏に飛躍を

 秋、春ともに8強入りと安定した成績を残した。西村、中野の二枚看板がけん引し、夏の飛躍を目指す。

 エース西村は、最速140キロの直球と切れのいいスライダーが武器。けがから復帰して、内外角に投げ分ける制球力も戻ってきた。中野は2年生ながらマウンド度胸が抜群。多彩な変化球をうまく使って勝負する。

 打線は俊足の1番鈴木、長打力のある4番小宮山が軸。5番には江森が座る。ただ、相手投手によって組み替える場合もある。コンバートで複数の守備位置がこなせるのも強みだ。


Cシード 武蔵越生
エース中心に粘り健在

 昨夏は1回戦で敗れたが、今季は春季県大会でベスト8入りするなど、結果を残した。

 チームを支えるのは、和田、春日の両右腕。和田は187センチの長身から最速139キロの直球を投げ込み、変化球にキレがある。春日は安定した制球力が持ち味。いずれも完投能力を備えるが、夏は継投が基本になりそうだ。打線は経験豊富な川筋、郷を軸に上位から下位までつながりがある。

 飛岡監督は「組み合わせは決して楽ではないが、8強入りは最低目標」と、チーム最高成績のベスト4進出に意欲を示している。


(2005年7月2日掲載)

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