やってくる高校総体
【1】五輪への登竜門
「金の卵」育てる大会

 

開会式の公開演技に向け、本番さながらの練習に汗を流す県内各校のダンス部員たち=15日、くまがやドーム

◇参加規模は国内最大

 「高校総体ってどんな大会?」。通称インターハイと呼ばれる高校総体は、幅広い年齢層の選手が集う国体に比べ、その概要は意外に一般市民に知られていない。

 参加規模は国内スポーツ大会で最大だ。埼玉総体には全国から選ばれた二十九競技の選手・監督約三万三千人(埼玉国体は夏、秋季大会で計約二万七千人)が集結。これだけの規模でジュニア世代を一堂に集めるスポーツ大会は世界でも類を見ない。

 さらに例年、七月下旬から八月の夏休み期間中に行われるため、選手の保護者や控え部員など全国からの来県者は埼玉国体をはるかにしのぐ約七十万人(昨夏の佐賀総体は約五十三万人)と見込まれている。期間中は国民的人気の高校野球と重なることなどからメディアへの露出度は低いが、多くの競技で高校のトップアスリートたちが日本一を目指す集大成の大会だ。

 今夏は北京五輪も開かれるが、前回のアテネ五輪の日本人メダリスト計五十四人(団体含む)のうち、高校総体出場経験者は金メダルに輝いた女子マラソンの野口みずき、男子ハンマー投げの室伏広治、男子平泳ぎの北島康介ら四十五人に上る。

 県高校総体推進室の久保正美室長は「インターハイを目指す高校生が日本の国際競技力を支えている。五輪への登竜門のような大会」と指摘する。将来の「金の卵」たちを育てる大会ともいえそうだ。

◇埼玉色豊かな開会式

 高校総体のもう一つの特徴は「一人一役活動」の名の下、県内の全高校生約十八万人が大会にかかわること。運営補助や会場案内など側面から選手たちをバックアップ。文字通り高校生を高校生が支える手作りの大会となる。

 約二千三百人の高校生が演技や演奏で出迎える総合開会式の準備も順調に進んでいる。会場はさいたまスーパーアリーナ。屋外の陸上競技場で行われた佐賀総体の総合開会式では百十七人が熱中症などで救護所に運ばれた。夏場の選手の体調管理や交通の便に配慮した屋内の開催で、入場行進する選手団数も屋外に匹敵する約四千七百人(佐賀総体は約三千七百人)を予定。国際規模の施設を有する埼玉の利点をフルに活用する。

 式を彩る公開演技にも「埼玉色」を盛り込む。県内の高校ダンス部約六百人が中心となって母なる大河「荒川の流れ」をテーマに、アスリートの不安や葛藤(かっとう)を織り込みながら「世界へ羽ばたく若者たち」を表現する予定だ。

 昨夏から練習を重ねてきた県立芸術総合高校三年の大田志歩さんと宮本玲さんは「熱気あふれる演技で同じ高校生の選手たちに元気とパワーを与えたい。私たちにとっても一生の思い出となる晴れ舞台です」と口をそろえる。

 選手を支える高校生たちもこの時は主役。若い力で「日本一元気な埼玉」をPRする絶好の機会となる。

(2008.06.22付掲載)

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