熱きあのとき
▽4 プロの道に進む原点

ボクシング・花咲徳栄 内山高志選手

「防衛を重ねて、今年か来年には世界タイトルに挑戦するチャンスがめぐって来れば」と話す内山高志選手
花咲徳栄高時代にたたき込んだ基本が飛躍を導いた=1997年10月30日、準優勝したなみはや国体のボクシング少年バンタム級決勝

 

 初めて踏んだ全国の舞台が高校総体だった。花咲徳栄高三年生の一九九七年、内山高志選手はボクシングのバンタム級に出場。「出るのが夢だったから、かなり緊張しましたよ。『どんなやつがいるんだろう』って。でも、初戦に勝ったときはうれしかった」。準々決勝で開催地・京都の選手に判定負けしたものの、見事な8強だった。

 中学時代はサッカー部に所属したが、高校入学と同時にボクシングを始めた。「練習漬けの毎日。先生(木庭浩介監督)は温かみがあるけれど礼儀とかに厳しくて、とても怖かった。人間を磨けたし、ボクシングの土台をつくれた」と感謝する。同年秋のなみはや国体では、少年バンタム級で準優勝を飾った。

 高校総体に出場したことが、競技を続けるきっかけになった。「始めたころは自信がなかったけれど、インターハイに行ってから大学でも頑張ろうという気持ちが芽生えた」と振り返る。拓大四年生の二〇〇一年、全日本選手権でライト級を制し、初めての日本一を奪取。〇五年七月にプロデビューすると、〇七年九月に東洋太平洋スーパーフェザー級のタイトルを獲得した。六月十二日には、2度目の防衛を果たしている。

 二十八歳。目標は三十歳になるまでに世界タイトルをつかむことだ。「命を懸けるくらいの気持ちや精神力をつけたい。トクハル(花咲徳栄高)の卒業生で第一号の世界チャンピオンになれれば」。十五歳の春、不安げにリングに立っていた少年の姿はない。埼玉が生んだ拳闘家の星として、輝きを増していく。

 現在は東京都内に住んでいるが、埼玉総体にはプロになってから初めて応援に行くつもりだという。「優勝者が出てほしい。地元だから特に。後輩たちの活躍を見れば初心に帰れるし、自分もやってやろうと思えてくる」。今でも、内山選手を支える原点であることは変わらない。

 内山高志(うちやま・たかし) プロボクシング東洋太平洋スーパーフェザー級王者。春日部中―花咲徳栄高―拓大出。2001年から全日本選手権のライト級を3連覇。アマ戦績は119戦98勝。25歳の05年にプロデビューし、07年9月に王座獲得。プロ戦績は10戦10勝(7KO)。ワタナベジム所属。春日部市出身。28歳。

(2008.07.05付掲載)

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