2019年12月27日(金)

地下鉄7号線、延伸へ加速 知事、さいたま市長「実現へ」 採算性クリアに必要なのは沿線開発と快速運行

現在の地下鉄7号線「浦和美園駅」。写真左奥の埼玉スタジアムから、岩槻方面への延伸早期実現を求める要望書が知事、さいたま市長に提出された=26日午前、さいたま市緑区

 地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)の浦和美園駅から東武野田線岩槻駅(7・2キロメートル)までの延伸に向けた議論、協議が加速する可能性が高くなった。

 埼玉県さいたま市の清水勇人市長は今年最後となった26日の定例会見で、「延伸の判断は、基本的には実現する方向で進めている。一日も早い、鉄道事業者による事業着手を目指したい」と延伸実現へ向けて取り組む考えを強調。

 大野元裕知事も24日、「(知事選の)公約にしており、政治的な決断をさせていただきたく、関係部局と進めたい」と意欲を示していた。関係団体の要望も根強く、県、さいたま市の両トップが前向きな発言をしたことで協議が本格化しそうだ。

 地下鉄7号線を巡っては、2000年1月、国の運輸政策審議会が「浦和美園―岩槻―(JR)蓮田までの区間が目標年次(2015年)までに開業することが適当」と答申した経緯がある。

 01年3月に赤羽岩淵―浦和美園駅間が開業。12年9月には、さいたま商工会議所を中心にさいたま市地下鉄7号線延伸事業化推進期成会が設立された。

 期成会は24日、初めて県庁を訪れ、江田元之会長(さいたま商議所相談役)と筑波伸夫氏(さいたま観光国際協会会長)、佐伯鋼兵氏(さいたま商議所名誉会頭)、池田一義氏(同会頭)の3副会長らが、大野知事に「一日も早い地下鉄7号線延伸の事業化実現」を要望。

 これに先立ち、10月24日には清水市長に対し、浦和美園―岩槻間の中間駅周辺の具体的なまちづくり計画の策定や、延伸関係自治体や鉄道事業者らによる「協議会」の早期設置と事業化に向けたタイムスケジュールの明確化を要望している。

 市は浦和美園から岩槻までの延伸建設費を約860億円と見込んでいる。26日の会見で清水市長は「大野知事から大変心強い発言も頂いた。市としてもさらに連携を強化し、一日も早い実現を目指す」と言及した。

 地下鉄7号線は16年4月、国の交通政策審議会が浦和美園から蓮田駅までの延伸を「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」と位置付けている。ただ市が設けた有識者らによる協議会は昨年2月、採算性をクリアするには沿線開発と快速運行が必要と指摘している。

 また、岩槻区浮谷に校舎を持つ目白大学も、国が東京23区内の入学定員を抑制していることなどから、岩槻校舎で定員増や新学部設置を進めるには、利便性を高めるための延伸が必要であるとし、期成会と共に、市長、知事らに要望している。

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