2018年12月14日(金)

大宮高「強歩大会」で女子生徒死亡 判決で学校に注意義務違反、父親「気持ち救われた」

判決後に記者会見する女子生徒の父親(中央)ら=14日午後、さいたま市浦和区内

 2015年に県立大宮高校で行われた「強歩大会」で、2年生の女子生徒=当時(17)=が死亡したのは、学校側の自動体外式徐細動器(AED)による救護が不適切だったためなどとして、父親(45)ら遺族3人が県を相手取り計約7293万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、さいたま地裁であった。石垣陽介裁判長は「学校が適切な救護体制を構築すべき義務を怠った」と学校の過失を認定した上で、女子生徒の死因が不詳で死亡と過失の因果関係が認めらないとして、原告の請求を棄却した。

 判決を受けて、原告らが14日、さいたま市内で記者会見し、女子生徒の父親(45)は「判決で学校に注意義務違反があったという話が出て、気持ちとしては救われた。私たちの主張が一部通ったところが唯一の救い」と述べた。

 提訴したのは娘のためでもあるというが、「日本全国どこでもマラソン大会はある。学校の対策はまだまだ十分ではない」と教員らに危険性の認識が不足していると指摘。自治体が安全管理や事故防止を文書で通知するだけではなく、「この判決を真摯(しんし)に受け止め、このようなことが二度と起こらない体制を仕組みとしてつくってほしい」と求めた。

 原告代理人の馬場龍行弁護士は「請求が認められなかったのは残念だが、適切な救命体制を構築する注意義務違反を指摘したことには一定の意義がある」と認識。死亡との因果関係が認められなかったことについては、「どんなケースなら助けられたと言えるのか分からず、法的な責任の追及が難しくなる」と同種事案に関して警鐘を鳴らした。

 今後に向けては、「まだ判決を精査できていない。遺族と協議して控訴するかどうか決めたい」とした。

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