2018年12月9日(日)

53年ぶりの快挙、埼玉県勢が全国優勝 弟子入りから15年、東松山の理容師が競技大会で日本一に

53年ぶりに埼玉に優勝をもたらたした理容師加藤尚生さん=東松山市西本宿のヘアーサロン「アルティジャーノ」

 10月に熊本県で開催された全国理容競技大会で日本一に輝いた東松山市の理容師、加藤尚生(なお)さん(35)。県理容生活衛生同業組合によると、県勢の全国優勝は53年ぶりの快挙だ。加藤さんは「支えてくれた人たちに恩返しできたと思う」。笑顔と一緒に、安どに似た充実感が顔いっぱいに広がった。

 出場したのは、男性向けのカット、パーマ技術を競う第3部門。刈り上げ主体の第1部門、女性向けの第2部門に比べ、第3部門は仕上がりに“消費者に喜ばれるファッション性”が求められた。

 「繰り返し練習し、順序、こつを手が覚えていたので、本番は無心で臨めた」と制限時間の30分間を振り返る加藤さんだが、「思い通りにいかず、正直あきらめていた」と顧みる。

 所属する「アルティジャーノ」(東松山市西本宿)店主で師匠の加島秀喜さん(51)は「大きなミスがなかった」と勝因を分析。加藤さんは県、関東甲信越、全国の各大会ともに13回連続出場。特に埼玉で開催した2015年の全国大会は優勝を狙ったが5位。16、17年は4位。全国屈指の実力ながら、もがき苦しむ教え子を見守ってきた加島さんは「技術が高い分、仕上がりに堅さがあった。テーマがフリーの今回がチャンスだった」と、ようやく実力を認められた弟子の姿に感無量だ。

 「仕上がりが大きく派手になる傾向だが、競技中は“上品に”と自分に言い聞かせた。ドライヤーのかけ方ひとつを取っても、練習時からやり方を変えたくなる気持ちを抑え、繰り返し反復したのがよかった」と加藤さん。

 「サラリーマンになりたくない」と中学時代に理容師を志し、常連客だった同店に弟子入りして約15年。接客の合間に続けてきた努力が大輪の花を咲かせた。

購読申し込み 携帯サイト