2018年11月28日(水)

生活保護費を再引き下げ 県内の受給者ら、171世帯分の審査請求書を県に提出「命を削られる思い」

生活保護費の再引き下げを受けて県に審査請求した受給者ら=27日午後、さいたま市浦和区内

 10月から実施されている生活保護基準の引き下げを不服として、県内の生活保護受給者らが27日、171世帯分の審査請求書を県に提出した。弁護士や福祉関係者らでつくる「生活保護基準引下げ反対埼玉連絡会」が呼び掛けた。2013年から段階的に行われた引き下げは違法として、さいたま地裁で係争中にもかかわらず再度の引き下げが実施されたことに、当事者らは「一方的であり不当」「命を削られる思い」と訴えた。

 生活保護を巡っては、既に13年8月から生活扶助基準が最大で10%程度引き下げられた。今回の引き下げは今年10月から3年間で段階的に実施。最大5%程度削減され、約7割の世帯で減額となる。

 審査請求書では、本来なら生活保護を受けられるはずなのに何らかの理由で生活保護を受けていない低所得者層に合わせて生活扶助水準を下げるのは「不適正な方法」と指摘。13年の引き下げでは物価が下がったことを根拠としていたが、今回は物価動向を考慮していない点について、「一貫性を欠く恣意的な基準の改定」と述べている。

 同会は、14年8月にさいたま地裁に提訴された生活保護基準引き下げ違憲訴訟の原告支援団体。現在、県内の生活保護受給者ら33人が、憲法で保障される生存権を侵害しているとして、県やさいたま市などを相手取り、13年8月から実施された引き下げ処分の取り消しと損害賠償を求めて争っている。

 原告らは同日、さいたま市内で記者会見した。10月から生活扶助費が約1300円引き下げられたという、さいたま市西区の男性(44)は「命を削られる思い。この引き下げは受給者だけではなく、国民全体に影響するもの」と訴える。原告代表の荒川公雄さん(56)=さいたま市岩槻区=は「裁判で原告の意見も聞いていない中で、また一方的に引き下げた。なぜそんなことをするのか。道義的に問題がある」と語った。

 同会代表で元ケースワーカーの寺久保光良さんは「再び引き下げるのは人道に反する許し難い政府の対応」と強く批判。弁護団らは係争中の訴訟や審査請求の結果を受けて、別の訴訟を提起するなどさらなる対応を考えるとしている。

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