2018年8月8日(水)

特別天然記念物・コウノトリ、行田に2週間滞在 周辺に無農薬の田んぼ、住民ら「餌場として好まれたか」

水田で餌を食べるコウノトリ。背中にはGPSのアンテナが付けられている=7月29日、行田市内(提供)
行田周辺に飛来したコウノトリ(提供)

 国の特別天然記念物で絶滅危惧種のコウノトリが7日、行田市の利根大堰(ぜき)周辺に飛来し、2週間滞在していることが分かった。体にGPS装置と固体識別の輪があり、千葉県野田市が2年前に放鳥した2羽のうちの1羽、雄の「きずな」と確認。GPSの位置情報によると、7月24日から同市内に滞在しているという。

 同日午前9時ごろ、市内の飯塚和男さん(75)が「ツルに似た大型の鳥がきょうも水田に来ている」と確認。日本野鳥の会埼玉に報告したところ、「GPSが付いていることから、野田市のコウノトリに間違いない」と知らされた。

 飯塚さんが最初に見たのは7月30日。「孫娘が『じっちゃん、大きな鳥がいる』と言ってきた。その後も、長く水田にいた。人に慣れているようで、近づいても逃げなかった」という。

 近くに住む原敬三さん(68)も7月28日、家の前の水田で同じコウノトリと遭遇。「大きな鳥で、すぐにコウノトリと分かった。国の特別天然記念物が自分の水田に来ているなんて、びっくりした。その後も毎日飛来してきた。できるだけ長くいてくれることを願っている」と話した。

 野田市によると、コウノトリ「きずな」は7月18日に埼玉県羽生市にいた。同24日に行田市に移動したことがGPS情報から分かっている。餌が豊富な地域では1〜2カ月滞在する例もあるという。

 コウノトリの餌はカエルや魚、ザリガニなどで、雑食。利根大堰周辺は水田が多く、「無農薬の田んぼにはカエルやザリガニがいることから、餌場としてコウノトリに好まれたのでは」と、住民らは話している。

 隣の鴻巣市では、市の名の由来になったコウノトリをシンボルにしたまちづくりを推進。市を挙げて「コウノトリの飛来」を待ち望んでいる。

■コウノトリ

 コウノトリ目コウノトリ科。全長110〜115センチ。翼を広げると160〜200センチ。農薬の影響などで激減、1971年に国内の野生種は絶滅した。多摩動物公園(東京都)が88年に国内初の人工繁殖に成功。2005年、兵庫県が野生復帰に向けて初めて放鳥したほか、野田市(千葉県)でも15年から毎年1〜3羽放鳥。同市によると、現在8羽が関東周辺などに生息している。

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