2018年4月12日(木)

あなたの近所に恐竜出現? 県内公園の珍遊具巡り、大人も迷い込む魅力の秘密探る 異彩放つ遊具の正体は

(右上)福岡中央公園内にある新幹線型防災倉庫=ふじみ野市上野台、(右下)佐知川公園にある大人も迷う「迷路」とトレードマークのマスク姿の石橋啓一郎さん=さいたま市西区、(左)勝瀬ミニパークの顔オブジェ=富士見市ふじみ野東
(上)子ども達に人気のティラノサウルス型の遊具=さいたま市南区の根岸東児童公園、(下)根岸東児童公園にある恐竜の足跡型砂場

 あなたの近所の公園にはどんな遊具があるだろうか。ブランコ、砂場、滑り台…。そのあたりがすぐに思い浮かぶだろう。しかし、県内には思わずSNSに投稿したくなるようなインスタ映えするユニークな遊具が存在する。「サイタマニア イシ★バシ」こと「埼玉の面白いもの」を追い続ける埼玉専門のフリーライター石橋啓一郎さん(38)=川越市=が発掘した珍遊具スポットを巡った。

■公園のトイレが変身!

 「公園の遊具に面白いというイメージがない」と一抹の不安を感じつつ、石橋さんとの待ち合わせ場所のふじみ野市上野台の福岡中央公園に向かう。

 4月上旬、桜が舞い散る中、縦4メートル、横約20メートルの緑の新幹線が現れた。「あれが上福(かみふく)の新幹線です」。石橋さんは自慢げに話す。それにしても市の防災倉庫というが、なぜこんな形になったのか。

 もともとは公園のトイレ。上福岡市(現ふじみ野市)が公衆トイレのイメージを一新しようとデザインを公募し、1989年に新幹線型トイレを設置した。その後、別のトイレを新設したことから2015年、外観はそのままに便器や水道を撤去し、倉庫に改修した。シャッターは閉まっていて中に入ることはできないが、名物として市民に親しまれているという。同公園は花見の名所でもあり、石橋さんは「桜吹雪の中で『新幹線』を楽しめる貴重なスポット」と強調する。

■微妙な表情に脱力

 次に向かったのは富士見市ふじみ野東にある勝瀬ミニパーク。数メートル先はふじみ野市という郵便配達人泣かせのトリッキーなエリアだ。

 約165平方メートルの敷地に、御影石製の顔のオブジェ。高さ約55センチ、幅は約90センチ。目を細めながら歯を食いしばっているように見える、何とも微妙な表情。石橋さんが設計者に問い合わせたところ、「喜怒哀楽」の「楽」を表現したオブジェだという。

 これまで石橋さんは、偶然通りかかって見つけたこんな不思議な物を取材し、文章にまとめてきた。「一覧のリストがあって、埼玉で行きたい場所がいっぱいあるんです」。秩父夜祭のような観光の王道でなく、変わった遊具や店なのが少し残念な気もしたが、石橋さんの「埼玉愛」に心打たれた。

■設置の理由も謎

 さいたま市西区の「佐知川公園」には4色のパイプが縦横に組まれた遊具がある。一見するとジャングルジムのようだが、実は「迷路」。ブランコやシーソーが並ぶ中、水平と垂直の線が交差するこの遊具は異彩を放つ。試したところ、数度迷いゴールまでたどりつくのに2分ほどかかった。

 石橋さんが以前来たとき、ボール遊びをしていた子どものボールが「迷路」に飛んでいってしまった。子どもが「面倒くさいなあ、もう」といった感じで中へ入っていく姿を見たという。子どもにとって、時には迷惑な遊具なのかも。

 最後に訪れたのは、さいたま市南区の根岸東児童公園。恐竜の足跡型の砂場、翼竜を支柱にしたブランコがあり、「恐竜公園」と呼ばれている。

 中でもティラノサウルス型の遊具は、博物館で見る化石のティラノサウルスがしゃがんでいるようなリアルさだ。胴体部分に上り下りできる網状のロープ、そして尻尾にはローラー滑り台が設置されており、子どもたちに大人気だ。

 それにしてもなぜ、こんなに個性的な遊具を設置したのだろう? 迷路も恐竜も市に問い合わせたが、書類が残っておらず理由は分からなかった。「その割り切れないところが埼玉らしくていい」。石橋さんはにやりと笑った。

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