2018年4月5日(木)

電車の優先席へ「なぜ座るの」という視線…外見から病気・障害が把握困難な人援助 県、ヘルプマーク配布へ

県が今年夏ごろから配布を始める「ヘルプマーク」。バッグやベルトに装着する

 ハンディがある人への理解を深め社会参加につなげようと、県は援助や配慮を必要としている人が意思を示す「ヘルプマーク」の配布を始める。2018年度は事業費900万円で4万個のヘルプマークを作製。市町村の担当課などを通じて、夏ごろからの提供を予定している。

 ヘルプマークは、援助や配慮を必要としているものの、外見から病気などの症状を把握しにくい人が援助を得られやすくなるよう身に着けるグッズで、12年に東京都が作製した。著作権も東京都に帰属している。

 シリコン製の赤色の本体に十字とハートの形を白色でデザインしている。規格は縦5・3センチ、横8・5センチ、厚さ2ミリ。ベルトやバッグなどにヘルプマークを装着し、自らの意思を周囲に伝える。

 県は配布対象者として、人工関節や義足の使用者、心臓疾患や呼吸器疾患、人工透析などの内部障害患者、難病患者らを想定。県障害者福祉推進課は県内の内部障害患者だけで6万〜7万人と推計する。

 同課は「今まで不便を感じて外出を控えていた人の社会参加につなげたい」とする。外見から症状や体の状態が分かりにくいと、電車やバスの優先席利用時に「何で座っているの」という視線を感じるといった声が届いていた。障害者団体や特別支援学校のPTAなどもヘルプマークの導入を求めていた。

 都によると、2月5日現在、18道府県がヘルプマークを導入。昨年7月にはJIS規格に追加された。20年東京五輪・パラリンピックなどに向け、認知度の向上が見込まれる。県はヘルプマークの作製・配布を進めるとともに、鉄道やバス事業者に対して優先席にヘルプマークのステッカー掲示を呼び掛ける。

 同課は「まずは手助けしてほしい人がいることを知ってもらいたい。そのためにもヘルプマークの周知が重要」とし、各種啓発イベントなどを通じてPRを図っていく。

 ヘルプマークの普及が求められる一方で、インターネットオークションなどで転売されるケースが後を絶たないという。東京都は都営地下鉄の駅などでヘルプマークを配布しているが、県は「まずは本当に必要な人に行き渡らせたい」と、市町村窓口で対面による対応を予定している。

 その際に必要とする人の症状などをアンケートで問う手法を検討。自力で窓口を訪れることが困難な場合は、代理人への受け渡しも視野に入れている。

購読申し込み 携帯サイト