2018年3月9日(金)

<熊谷6人殺害>命奪われた事実「変わらない」 犠牲になった姉妹が通った小学校長、無念の思いを口に

加藤美咲さん、春花さん姉妹が通っていた石原小学校の校長室に飾られている2人の遺影=9日午後、熊谷市石原

 事件についてほとんど語ることのなかった被告に下された判決は、最も重い刑だった。9日にさいたま地裁で開かれた、熊谷6人殺害事件の裁判員裁判の判決。ペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)は死刑を言い渡された瞬間、下を向いたまま、視線を上げようとせず、閉廷後もしばらく立ち上がらなかった。一方、事件の被害者遺族は「ほっとした」と安堵(あんど)。裁判長の判決文朗読に耳を傾けた。

 「本校の子ども2人の尊い命が奪われたという事実は変わらない。改めてご冥福をお祈りしたい」。事件で犠牲になった加藤美咲さんと春花さんの姉妹が通っていた熊谷市立石原小学校の飯田明彦校長(59)は9日、無念の思いを口にした。

 飯田校長は2015年4月に同校に赴任し、同年9月に事件が発生した。「身近でこのようなことが起こるとは、思いもよらなかった。悲しい出来事に直面し、不安になる子もいた。カウンセラーや相談員に来てもらうなど、子どもたちの心のケアに一番気を遣った」と振り返る。

 事件後は月命日になると、姉妹の位牌と遺骨が納められている市内の寺まで、花を持って欠かさずお参りに行く。「仏前で線香をあげながら、学校での最近の出来事などを話している。事件のこと、2人のことは、決して忘れてはいけない。学校のみんなにも忘れてほしくない」

 裁判が始まった日から、普段はしまっている姉妹の遺影を校長室に飾った。「これからも卒業式や始業式といった機会を通じて、子どもたちに伝えていきたい。2人は石原小の子だったんだよ、心の中ではいつも一緒だよと」

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