2018年2月19日(月)

<熊谷6人殺害>被告、死刑求刑にも表情変わらず 何も語らず結審、遺族「悪かったという態度ない」

 地域を震撼(しんかん)させた事件の深層は、どこにあったのか―。熊谷市の6人殺害事件で強盗殺人罪などに問われ、19日にさいたま地裁で論告弁論があったペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判。遺族は悲痛な胸の内を陳述し、ナカダ被告に真実を語るよう求めたが、被告は何も語らなかった。胸の内は明かされることなく、結審した。

 黒色の長袖Tシャツにズボン姿で出廷したナカダ被告。開廷中は終始下を向いてほとんど動くことはなく、死刑を求刑されても表情や態度が変わることはなかった。

 妻子3人を殺害された男性(45)が意見陳述した際には、佐々木直人裁判長から同時通訳用のイヤホンを装着するよう何度か促されても、装着しなかった。男性が「絶対に被告人を許すことはない」「自分のしたことが悪かったという態度はみじんも感じない」と訴えてもうつむいていた。

 男性は9日の公判でナカダ被告に対し、妻子3人が殺害された理由などを直接質問していたが、それについては「全てはぐらかした」と陳述。最後にナカダ被告が意見を述べる場では「必ず私の質問に答えてほしい」と求めた。

 そんな中、ナカダ被告に与えられた最後の発言の機会。佐々木裁判長から証言台の前に立つように求められたが、ナカダ被告はしばらく立ち上がらず。再度促されてようやく証言台の前に進んだものの、斜めに立ち、ほぼ下を向いたまま3分近く無言の状態。閉廷後はしばらくその場に座り込んでいた。

 これまでの公判でも「覚えていない」と繰り返したり、「ここで話しても誰が信用してくれるのか」と発言するなど、事件について多くを語らなかったナカダ被告。その姿勢は最後まで変わることなく、心の中を察するしかない状況の中、裁判官や裁判員たちは難しい判断を迫られることになった。

購読申し込み 携帯サイト