2018年2月19日(月)

<熊谷6人殺害>検察側、ペルー人被告に死刑求刑「極めて悪質」 弁護側は無罪主張「善悪の区別つかず」

 熊谷市で2015年9月、小学生姉妹ら6人が殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判の論告求刑公判が19日、さいたま地裁(佐々木直人裁判長)で開かれた。検察側は「犯行の罪質は極めて悪質。何の落ち度もない6人の尊い命が奪われた」として死刑を求刑。弁護側は「統合失調症の影響による心神喪失で、善悪の区別がついていなかった可能性がある」と無罪を主張して結審した。判決は3月9日。

 検察側は論告で、被告が金銭に窮していたことから「強盗目的の犯行で、殺害は妨害排除のためだった」と指摘。被告に当時、被害妄想や追跡妄想があったものの、遺体を隠すなどの行為をしており、「善悪の判断能力、行動制御能力の著しい低下はなく、完全責任能力がある」と述べた。

 弁護側は、被告が妄想による追跡者から逃れる目的で人を殺したりした可能性があり、「強盗殺人罪の故意がなかった」と主張。「犯行態様は突発的、衝動的で、動機は理解不能。もともとの人格から懸け離れている」として、統合失調症の強い影響下にあったとした。ナカダ被告は最終意見陳述で何も語らなかった。

 起訴状などによると、ナカダ被告は15年9月14〜16日、熊谷市の住宅3軒に侵入し、田崎稔さん(55)と妻美佐枝さん(53)、白石和代さん(84)、加藤美和子さん(41)と長女の小学5年美咲さん(10)、次女の小学2年春花さん(7)=年齢はいずれも当時=の6人を包丁で刺すなどして殺害。現金、包丁などを奪ったほか、遺体を浴槽などに遺棄したなどとされる。

 この日の法廷で、妻と娘2人を殺害された加藤さんの夫(45)が意見陳述し、白石さんの妹の意見書が読み上げられ、いずれも死刑を求めた。

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