2018年2月14日(水)

<熊谷6人殺害>精神鑑定の医師「統合失調症でも善悪の判断できる」…妄想なければ事件起きなかったのでは

 熊谷市で2015年9月、小学生姉妹を含む6人が殺害された事件で、強盗殺人罪などに問われたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判の第11回公判が14日、さいたま地裁(佐々木直人裁判長)で開かれた。地裁が実施した精神鑑定で被告を統合失調症と診断した男性医師が前回に続いて出廷。「人を殺すことが悪いという善悪の判断能力は統合失調症でも阻害されない」とした上で、「被告の証言がないので犯行時に何を考え、個々の行動を取ったかは分からない」と述べた。

 裁判では責任能力の有無や程度が最大の争点となっている。医師は、被告が事件前に語った「追われている」「殺される」などの被害妄想や精神的不穏が犯行に影響した可能性を指摘。一方で「妄想や不穏がなければ事件は起きなかったと思う」と証言した。

 被告が事件現場となった複数の住宅で財布を物色したり、遺体を隠したとされる行為についても、「妄想で説明がつくか、つかないか、何か現実的な理由があるか。被告の説明が一切得られないので判断できない」と語った。

 また、昨年の鑑定時も9日の被告人質問でも、「被告の心の中での事実がどうなっているか。意味のある答えは得られなかった」とした。

 この日の公判で実質的な審理が終わった。19日の公判で検察側が論告求刑、弁護側が最終弁論を行う予定。判決は3月9日に言い渡される。

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