2018年1月31日(水)

<熊谷6人殺害>被告が「2人」「殺した」…入院先で医師が聞く 被告の姉出廷、家庭環境語る 第4回公判

 熊谷市で2015年9月、小学生姉妹を含む6人が殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判の第4回公判が31日、さいたま地裁(佐々木直人裁判長)で開かれた。事件直後に負傷して入院した病院の担当医師が証人として出廷し、被告が意識を回復した後、「2人、殺した」と言葉を発したことを証言した。

 ナカダ被告は15年9月16日、身柄を確保された際に事件現場の住宅2階窓から落ち、頭の骨を折るなどの重傷を負って深谷市内の病院に入院した。同月24日に意識を取り戻し、医師が声を掛けると、ささやくように日本語で言葉を発したとした。

 一方、医師は、重体患者が意識を回復したときに判断力の低下で幻覚や錯覚を示す場合があるといい、当時の被告についても「その可能性は否定できない」と述べた。「2人」と「殺した」を続けて言ったのではなく、医師との1分間ぐらいのやりとりの中で二つの言葉を発したという。

 公判には、ナカダ被告と17歳離れた実姉も証人として出廷。実家は貧しく、父が家族に暴力を振るうなど粗暴な性格で、兄が犬を殺して家に内臓を持ち込むこともあったとした。ナカダ被告が8歳の頃、ネズミの腹をかみそりで切ったことがあり、姉が病院に連れて行った。

 姉は来日後に一緒に暮らしていたときに、ナカダ被告が「黒い影が現れて寝かせてくれない。家の中に悪いものがいる」と話していたことも証言。姉によると、ペルーでは悪魔のような存在が人々に広く信じられており、「強い口調で言えば消える」とナカダ被告を諭し、医療機関は受診させなかったとした。法廷での印象を問われ、「目が合っても無表情で、まるで別人みたいだ」と述べた。

購読申し込み 携帯サイト