2018年1月26日(金)

<熊谷6人殺害>ナカダ被告、初公判で意味不明発言…認否留保 弁護側「犯罪成立なら心神喪失で無罪主張」

傍聴券を求めて列を作る人たち=26日午前8時半ごろ、さいたま地裁

 熊谷市で2015年9月、小学生姉妹を含む6人が殺害された事件で、強盗殺人罪などで起訴されたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(32)の裁判員裁判の初公判が26日、さいたま地裁(佐々木直人裁判長)で開かれ、ナカダ被告は罪状認否で事件について話さず、意味不明の発言をした。弁護側は「公訴事実について意見を留保する。何らかの犯罪が成立するときは、心神喪失で無罪を主張する」と述べた。公判では刑事責任能力の有無や程度が最大の争点になる。

 冒頭陳述で検察側は、ナカダ被告がこれまでに接点のない3件の事件現場に立ち入り、被害者らと接触した痕跡があることから、被告が犯人であると指摘。包丁で身体の主要部を多数回突き刺す殺意があり、金銭に窮していたことなどから強盗目的と断じた。

 また、責任能力については、被告に被害妄想や誰かに追われている追跡妄想があったものの、関係のない6人が殺害され、金品が奪われたこととは直接結び付かず、妄想の影響は間接的であるとした。

 弁護側は、被告が統合失調症にかかり、誰かが自分を殺しに来るという妄想に支配されていたと主張。事件の前に任意同行された熊谷署から逃走した後、「気が付くと病院のベッドの上だった」とし、「現在、事件について語ることができない」と述べた。

 ナカダ被告は、罪状認否を問われ、「ある日、あることを聞いた。その人は頭の上にカップを置いた。私も頭の上にカップを置きました」と脈絡のないことを答えた。証拠調べでは、勝手にしゃべりだし、裁判長に注意された。

 起訴状などによると、15年9月14〜16日、金品を奪う目的で住宅3軒に侵入し、田崎稔さん(55)と妻美佐枝さん(53)、白石和代さん(84)、加藤美和子さん(41)と長女の小学5年美咲さん(10)、次女の小学2年春花さん(7)=年齢はいずれも当時=の6人を包丁で刺すなどして殺害。田崎さん方から自動車や現金約9千円、包丁などを、白石さん方から包丁を、加藤さん方から車の鍵を奪ったほか、白石さんの遺体を浴槽に、加藤さん母娘の遺体をクローゼットに遺棄したとされる。

 ナカダ被告は身柄を確保された際に住宅2階から落ち、頭の骨を折るなどの重傷で入院。県警の調べに対して容疑を否認し、「覚えていない」などと供述していた。事件前には知人に「背広の男に追われている」と語るなど不審な言動も見受けられ、さいたま地検は被告の鑑定留置を実施。責任能力が問えると判断し、昨年5月に起訴した。弁護側が請求した精神鑑定では統合失調症との診断が出た。

 公判は2月19日まで計12回の期日が入っており、3月9日に判決が言い渡される予定。

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