2018年1月14日(日)

拉致考える川口の集い、被害者の会・飯塚さんら講演 歴代政府の「不作為」を批判

「今年こそ、帰ってほしい」と訴える拉致被害者田口八重子さんの長男飯塚耕一郎さん(壇上左)と兄の繁雄さん(同右)。後方に掲示された顔写真の右から2人目が田口さん=13日午後、川口市の市民ホール・フレンディア

 北朝鮮による拉致被害者の救済を訴える「拉致問題を考える川口の集い」(埼玉県川口市主催、拉致問題を考える川口の会共催)が13日午後、JR川口駅前の市民ホール・フレンディアで開催され、1978年に東京・池袋から拉致された同市出身の田口八重子さん=当時(22)=の兄、飯塚繁雄さん(79)=上尾市在住、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表=と、田口さんの長男、飯塚耕一郎さん(40)が講演し、「一刻も早い解決を」と訴えた。会場には、約350人の市民が詰め掛けた。

 田口さんが当時1歳だった耕一郎さんを残して拉致されてから今年で40年。繁雄さんは「こんなに長い間帰ってこない。今までなすべきことがなされない、不作為があったのではないかと考える。今後はそういうことがないように訴えたい」と、歴代政府の対応を批判した。

 田口さんの7人の兄や姉たちのうち、既に2人が他界した。日本で待つ家族には時間がない。繁雄さんは「一番心配なのは日本にいる私たちより、悪条件の中にいる八重子ら拉致被害者たちだ。我慢の限界ではないかと強く感じる」と思いやった。

 耕一郎さんは「今年を解決の年にしたい。北朝鮮は一刻も早く拉致被害者を帰国させてほしい。アメリカの軍事的な緊張に乗らずに、日本は主体的に、独自の解決へ努力をしてほしい」と訴えた。

 耕一郎さんはまた「会ったことはない女性だ。だから、八重子さんをお母さんと呼べない。帰国したら叔父や叔母たちは泣きながら抱き合って喜んでほしい。そして最後に私が『お母さんお帰り』と言いたい。その時が来るように、私たちに寄り添い、思いをほかの人に伝えてほしい」と呼び掛けた。

 飯塚さんらの講演に先立ち、特定失踪者問題調査会代表で拓殖大学教授の荒木和博氏(61)が講演。日本海沿岸地方で相次ぐ不審船の漂着について、「北朝鮮で何かが起きている。間もなく大きな変化が起きる前兆だと思う」と警戒を呼び掛けた。荒木氏は23日、オランダのハーグ市を訪問し、北朝鮮による546人の拉致被害を国際刑事裁判所(ICC)に告発する。

 集いには、拉致が強く疑われる「特定失踪者」の家族も出席し、救済を訴えた。76年に川口市の自宅を出たまま失踪した藤田進さん=東京学芸大学1年生、当時(19)=の弟隆司さん(59)▽77年に同市の自宅から失踪した銀行員新木章さん=当時(29)=の妹横山木三子さん▽91年にさいたま市の実家から失踪した銀行員佐々木悦子さん=当時(29)=の母アイ子さんらが出席した。

購読申し込み 携帯サイト