2017年12月31日(日)

トップ走り続ける鉄道博物館、開館10年 3月にも入館者1千万人達成か 新館建設、来夏オープン予定

建設中の新館(奥)。東北・上越新幹線で使用された人気車両「E1系新幹線」(右)が搬入されるなどリニューアル工事が進む=さいたま市大宮区の鉄道博物館

 鉄道博物館が今、生まれ変わろうとしている。東京・神田にあった交通博物館に代わる施設として、さいたま市大宮区大成町に2007年10月に開館してから10年。間もなく迎える入館者1千万人達成へ向け、来年夏オープン予定の新館の建設を含めた施設の全面リニューアルに取り組んでいる。

■誰もが楽しむ施設へ

 今年4月、鉄道博物館本館北側に「科学ステーション」と「キッズプラザ」がリニューアルの第1弾としてオープンした。子どもたちが楽しみながら鉄道を学べる施設。1階のキッズプラザには大型車両模型にカフェも併設され、人気のおもちゃ「プラレール」で自由に遊べることから、連日、大勢の親子連れでにぎわっている。伊奈町から長男の晴永君(3)と訪れていた主婦の田村陽子さん(42)は「年間パスでもう20回以上来ている。初めての友達とも遊んでいる。子どもたちが楽しめる施設が充実したのはうれしい」と笑顔を見せる。

 7月には幅約23メートル、奥行き約10メートルの巨大な鉄道ジオラマが新しく登場。来年夏には現在の本館南側に4階建ての新館がオープンし、子どもから大人まで誰もが鉄道に親しみ、鉄道の「仕事」「歴史」「未来」を知ることができる三つのステーションが開設する。

■広がる裾野

 「神田(旧・交通博物館)の頃には若い女性が館内を歩く光景はなかなか見られなかった」と話すのは鉄道博物館営業部課長で学芸員の奥原哲志さん(53)。かつては一部のコアな鉄道ファン向けの施設と思われがちだった同館だが、現在は入館者の約6割がファミリー層だという。

 「博物館である以上、ただの遊園地ではない。とはいえ、女性や若い方、家族連れといった、何度も当館を訪れていただけるリピーターを大事にしたい」と奥原さん。「科学ステーション」では、さいたま市教育委員会の協力で展示内容を整備し、教育目的での受け入れ体制も整えた。ご当地キャラクターの催しや鉄道ヒーローショー、館内での「婚活」イベント実施など、施設や催しは家族向けや、来館者の裾野を広げることを意識しているという。

■来年3月中にも

 同館の入館者数は、開館の07年度、わずか半年で100万8600人を記録した。その後、08年度の約142万人をピークに、09年度96万人、10年度82万人、11年度80万人となり、以後、ほぼ横ばいの80万人前後で推移していたが、今年度は12月18日までに62万7500人。16年度(77万400人)を上回ることは確実で、リニューアル開始の効果は確実に出ているという。また、開館からこれまでの総入館者数は965万500人。早ければ来年3月中にも、節目の1千万人を達成する見込みだという。

 11年3月には名古屋市にJR東海の「リニア・鉄道館」、16年4月には京都市にJR西日本の「京都鉄道博物館」が開館するなど、各地に大規模な鉄道ファンの「聖地」が登場する中、そのトップを走り続ける鉄道博物館。奥原さんは「さらに多くの皆さまに関心を持っていただき、『もっと知りたい』『もっと楽しみたい』を車の両輪のように、共にかなえる施設であり続けたい」と話している。

 【メモ】鉄道博物館はJR東日本創立20周年記念事業のメインプロジェクトとして建設。国指定重要文化財の「1号機関車」「1号御料車」をはじめ、鉄道に関する約67万点の資料を収蔵している。1月は2日から開館する。

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