2017年11月28日(火)

コスプレイヤーに人気…小鹿野の「神怡館」が25年の歴史に幕 県が条例案、山西省との友好記念館が廃止へ

唐代寺院建築風の建物の県山西省友好記念館「神怡館」=27日午後、小鹿野町両神薄
山西省ゆかりの展示物が所狭しと並ぶ神怡館の内部(県提供)

 県は27日、県山西省友好記念館「神怡館(しんいかん)」(小鹿野町両神薄)を2018年4月1日付で廃止する条例案を12月定例県議会(同4日開会)に提出すると発表した。

 同館は1992年5月の開館以来25年間、入館者数が右肩下がりで、建物も老朽化が進む。廃止後の建物や敷地については、活用策を探っていく。

 県と中国山西省は、82年10月に友好県省を締結。以来、姉妹友好省として医療研修生の受け入れや農業技術指導員の派遣、奨学生の交換など、交流を続けている。

 神怡館は92年5月、友好県省10周年を記念し、山西省の歴史や自然、文化などを紹介する展示施設として、風景が同省の山並みに似ていたという旧両神村に建てられた。現在は小鹿野町振興公社が指定管理を受けて運営している。

 唐代寺院建築風の建物は1100平米で、高さ3メートルの建築模型や仏像、絵画、工芸品など大小1186点を収蔵。約500点を常時展示している。チャイナドレスのレンタルのほか、二胡教室や特別展示など数々のイベントも開催。中国風の建物や風景の中で写真が撮れると、コスプレイヤーにも人気がある。

 しかし新しい客層を呼び込むことができず、入館者数は開館した92年度の4万8961人をピークに右肩下がり。2014年度には過去最低の5850人まで落ち込んだ。

 県環境政策課は入館者数の減少について「インターネットなどの普及により、情報を発信する館の役割が失われてきた」とみる。秩父市内から車で約45分、西武秩父駅からバスを乗り継いで40分以上など、アクセスの難しさも大きな要因になっている。

 開館から25年が経ち、空調や電気設備の不具合、外壁や屋根の痛みなど老朽化が進行。修繕費や維持管理費を見積もったところ、必要額が今後40年間で約5億6千万円に上ることが分かった。

 周囲には国民宿舎「両神荘」や両神温泉、ロウバイ園、ハナショウブ園、足を延ばせば両神山や丸神の滝がある風光明媚(めいび)な場所。小鹿野町も神怡館の維持を望んだが、県も町も運営できないという結論に達した。

 今後は、民間による活用など広く検討していく。公募などの方法は未定だが、同課は「せっかくの建物なので、何らかの活用ができないか考えたい」としている。

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