2017年9月10日(日)

“金魚仙人”が品種改良、緑色の金魚誕生 45年前から坂戸の養殖家が挑戦、白寿前にさらなる改良に意欲

川原さんが品種改良した金魚
育てた金魚を見詰める川原さん。試行錯誤を重ね、緑色の金魚が誕生した=坂戸市小沼

 地元や関係者の間で“金魚仙人”と呼ばれる坂戸市小沼の金魚養殖家・川原※(やどる)さん(97)が品種改良を重ね、「緑色の金魚誕生に成功した」と喜んでいる。金魚に関わって半世紀近く。念願の金魚誕生に喜ぶ一方、さらなる改良にも意欲を燃やしている。

 緑色の金魚は体長4〜5センチほどのものも。45年ほど前から緑色の金魚誕生に挑戦するようになり、「黄色と青色を混ぜれば緑色になる」という発想から、両色の金魚の交配に取り組んできた。

 川原さんが初めて緑色の金魚を確認したのは、4年ほど前。だが当時は数が少なく、「ほかの人に認めてもらえる自信もなかった」ことから、公表を控えてきた。その後も挑戦を続け、今春に100匹ほどの緑色の稚魚を確認。夏にかけて成長し、「これなら大丈夫だろう」という自信を持てたため、公表することにしたという。飼育の最中、金魚がハクビシンなどに食べられてしまうことも。「なぜか緑色の金魚だけ食べられてしまう」と苦労を明かす。

※はうかんむりに居

■3世代が関わる

 川原さんは長崎県出身。戦争を体験し、シベリアに抑留されたこともある。帰国後は親族を頼って坂戸の会社で働く一方、時間を持て余し、趣味で金魚を飼い始めた。

 緑色の金魚誕生に意欲を燃やすようになったのは、「ほかにはないから」。定年後、近所の休耕田を借りて水槽を作り、金魚の本格的な養殖に着手。交配を繰り返し、黄色の金魚「ミューズ」を生み出すなどしてきた。今では子ども、孫の3世代が金魚に関わっている。

■さらなる意欲も

 緑色の金魚に関して、養殖業や河川漁業の振興などをする県水産研究所の担当者は「聞いたことがなく、珍しいのでは」と言う。

 長い年月をかけ、ようやく誕生した緑色の金魚。公表できるようになったことは「うれしい」と感慨深げだが、「来年も緑色の金魚が育つかは分からず、形も十分ではない。安定して育つようになれば」。白寿を前に、さらなる挑戦意欲が湧いている。

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