2017年9月7日(木)

弱ったオオタカ、手厚い介抱でみるみる元気に 迷い込んだ幼鳥をさいたまで保護、放鳥決まり再び空へ

オオタカの幼鳥が迷い込んだハト小屋と関根一夫さん=さいたま市西区
保護されたオオタカの幼鳥

 大空を悠々と飛翔するオオタカ。その幼鳥がハト小屋に迷い込み、さいたま市西区で農業を営む高野康二さん(67)が保護した。弱っていた幼鳥を、友人の関根一夫さん(67)とともに手厚く介抱。元気になった幼鳥は近く放たれ、再び空へと戻る。

 バサッ、バサッ。オオタカの幼鳥が、保護されている大型のおりの中を飛び回る。羽を羽ばたかせると、風圧で顔をそむけてしまうほどだ。

 関根さんは「生き餌を捕食するときは秒殺だよ」と笑う。オオタカは肉食で主に鳥を食べ、里山にすむ猛きん類。県内にも生息しており、保護されるケースも少なくない。

 高野さんが同区内に持つ土地にあるハト小屋に、幼鳥が現れたのは8月上旬。飼っていたハト2羽が食べられてしまっていた。「初めはトンビかと思った」と高野さん。区役所に連絡し、オオタカの幼鳥だと判明。高野さんが一時預かることになった。

 高野さんは、動物好きの関根さんに協力を依頼した。関根さんは、同区内の所有地にあった、かつて大型犬を飼っていたおりを改造。止まり木もしつらえた。最初は鶏のささ身肉を与えてみたが、見向きもしない。高野さんがいろいろ調べて生き餌をあげたところ、すぐにかぶりついてみるみる元気が出てきた。

 オオタカは里山の土地開発などの影響で個体数が減り、国内希少野生動植物種に指定。自然保護運動の象徴とされてきた。近年は保護対策などが奏功し、個体数が回復傾向にある。環境省の中央環境審議会は8月、指定の解除を答申した。

 高野さんと関根さんによって、体力を取り戻した幼鳥はおりの中で窮屈そうだ。県と相談して、放鳥が決まった。「大和(やまと)」と名付けて世話してきた関根さんは「どうせ別れるなら、初めから会わなきゃ良かった」としんみり。高野さんが「仕方がないよ」となぐさめた。

 オオタカの幼鳥は間もなく、元気いっぱいに秋空を舞う。

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